国際協力師への道

国際協力の仕事5選(業界の全体像を簡単に理解しよう!)

2021年1月6日

悩む人
国際協力て興味があるけど、どんな仕事があるのよくわからないです。
仕事が幅広いですからね。一緒に整理してみましょう
みかむらシンジ

本記事の内容

  • ①国際協力の仕事5選:仕事は大きく分けて5つです
  • ②キャリアの始め方もイメージしましょう
  • ③国際協力は就「社」ではなく、就「職」の視点が大切

 

本記事の信頼性

記事を書いている私は、プロとして政府系援助機関で仕事をして4年、アマ時代も含めると17年国際協力に携わっています。

NGO理事として5年活動していたこともあり、学生時代国際NGOでインターンとして活動した経験もあります。

 

読者さんへの前置きメッセージ

本記事では「国際協力に興味があるけど、どんなキャリアがあるのか具体的なイメージができない」という方に向けて書いています。

この記事を通して、国際協力のキャリアを形成するにあたって、具体的なイメージできるようになると思います。

国際協力業界は幅広いので、この記事で全体像をみつつ、どのような分野で自分が活躍したいかイメージしながらキャリアを作っていただけばと思います。

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

①国際協力の仕事5選:「国際機関」「政府系機関」「NGO・NPO」「民間企業」「ボランティア」

国際協力を仕事にしている人は、どのような仕事をしているのでしょうか。国際協力の分野では、教育、水、廃棄物、平和構築など多岐にわたります。

具体的に国際協力を行っている仕事の種類は大きく分けて、「国際機関」「政府系機関」「NGO・NPO」「民間企業」プラスαとして「ボランティア」の5つです。

どのような活動が行われているか説明します。

 

国際機関

国際機関とは、グローバルな課題を解決するために作られた組織です。その代表例は国連で、国連を中心として様々な組織が存在します。

有名なのは、国連児童基金(UNICEF)、世界銀行(World Bank)、国連開発計画(UNDP)、国連難民高等弁務官(UNHCR)などです。

このような機関で構成した全体を「国連システム」と呼びます。国連システムの機関はともに文化、科学、社会のあらゆる分野で活動に取り組んでいます。以下HPに国連の組織一覧があるので参考になさってください。

国連広報センター:国連基金および計画、調査訓練機関、その他の機関 | (unic.or.jp)

 

政府系機関

国際協力に関わる日本の政府系機関としては、担当省庁である外務省や、ODA実施機関である国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)などがあげられます。

これらの機関では公的資金を使い、政府開発援助(ODA)を通して、環境問題、平和構築、経済発展支援といった途上国の開発を目的として、技術協力、資金協力(無償・有償等)を行っています。

以下代表的な組織のリンクを張っておきますので参考にしてください。

外務省:(キッズ外務省)外務省ってどんなところ?|外務省 (mofa.go.jp)

JICA:仕事内容 | JICAについて - JICA

JBIC:組織概要|国際協力銀行 新卒採用情報サイト (jbic.go.jp)

 

NGO・NPO

政府、つまり税金が資金源である国際機関、政府系機関以外に、国際協力を行うための組織、NGO(Non-Governmental Organization: 非政府組織)やNPO(Non-Non-Profit Organization:非営利団体)があります。

国境なき医師団、ワールドビジョン、セーブ・ザ・チルドレン等があります。

それぞれの団体が理念を掲げ、プロジェクトや活動範囲が異なる点が特徴があります。

通常の企業と同じように、総務、会計、広報、プロジェクトの企画立案や、資金調達をしています。

国際協力NGOセンター(JANIC):よくあるご質問 | 国際協力NGOセンター JANIC

ワールド・ビジョン・ジャパン:途上国の子どもたちの1対1の支援プログラム

民間企業(ソーシャルビジネス企業、開発コンサルタント、民間企業のCSR部門)

国際協力関係の仕事に取り組む企業と開発コンサルタントについて説明します。国際協力は政府系機関のみならず、民間企業でも取り組まれるようになっています。社会問題をビジネスで解決するソーシャルビジネスを掲げている企業もあります。

営利を追求する企業の中でも、CRS(Corporate Social Responsibility: 企業の社会的責任)として、国際協力を自ら行ったり、資金を国際協力団体へ提供する企業が存在します。企業のCSRによる国際協力は、自企業の資金で基金を作り、NGOと連携している事例が多い印象です。

国際協力NGOセンター(JANIC):企業×NGOの取り組み

開発コンサルタントは、政府機関が途上国で仕事を行う際に、必要な専門的な知識やスキルを現場で提供します。規模や内容も幅広いため、高い技術力と深い専門性が求められます。政府系機関の場合は企画立案やプロジェクト運営が主な業務ですが、その調査を実際に現地で行ったり、プロジェクトを現場で実施したりというのは開発コンサルタントの仕事になります。

(一社)海外コンサルタンツ協会:開発コンサルタントとは

 

ボランティア

仕事という意味では正確ではないかもしれませんが、ボランティアも挙げさせてください。代表的なのはJICAが実施しているJICA海外協力隊(青年海外協力隊)でしょうか。駅やテレビでの広告で見かけた方もいらっしゃるでしょうか。これまで約90か国に5万人近い隊員を派遣してきた実績があります。

応募資格は20~69歳で日本国籍を持っていること。募集は年2回(春・秋)、活動分野は多岐にわたります。自分の知識、技術、経験を活かせるのが海外協力隊の特徴です。

ご存じない方も多いと思いますが、2年の長期派遣だけでなく、1か月から参加できる短期派遣制度もあります。ご興味ある方はぜひご覧ください。

JICA:JICA海外協力隊

 

②キャリアの始め方もイメージしましょう

業界の全体像が見えたら、どこで自分は働くのかイメージしてみましょう。

そのほうがキャリア形成が明確になります。

まずボランティア、インターンにトライするのがおすすめ。

興味がある組織があれば、ボランティア、インターンでその組織を経験してみることをお勧めします。

早いうちに経験することで、自分のキャリアの方向性、人脈も手に入れることができます。この人脈は国際協力の世界では非常に重要です。

以下インターン、ボランティアの始め方をご紹介します。

 

政府系機関

JICAでは年二回インターンを募集しています。国内および海外拠点で、職員の実際の仕事ぶりを肌で感じることができます。

JICA:JICAインターンシップ・プログラム | JICAについて - JICA

JBICもインターンを募集しています。

JBIC:2021年冬季インターンシップ|国際協力銀行 新卒採用情報サイト (jbic.go.jp)

外務省のインターンシップは、マイナビなどで募集しているようですので、そちらでチェックしてみてくださいね。

 

国際機関

国際機関で働くためには、まずジュニア・プロフェショナル・オフィサー(JPO)派遣制度を利用する方法が有名です。

JPO派遣制度は外務省が実施しているもので、35歳以下の日本人に対し、原則2年間、国際勤務での勤務経験を積む機会を提供しています。

以下国際機関でのキャリアの始め方についてまとまっておりますので、チェックしてみてください。

外務省:国際機関で働こう

国際機関のインターン情報はこちらににまとまっておりますので、要チェックです。

外務省:国際機関におけるインターンシップ,国連ボランティア等 | 外務省 国際機関人事センター (mofa-irc.go.jp)

 

NGO、NPO、ボランティア

NGO関係は、興味のある組織のHPをチェックしてみるのが一つのやり方ですが、最近はボランティアに特化した民間サイトも存在しますので、参考にして下さい。

activo(アクティボ):ボランティア募集情報満載!

日本のNGOを会員とするネットワークNGO「JANIC」でもNGOのインターン募集しています。

JANIC:人材募集

外務省がNGOのインターンを募集しています。こちらは手当ありなので、好条件ですね。

外務省:(ODA) NGOインターン・プログラム | 外務省 (mofa.go.jp)

 

是非、実際にインターン、ボランティアにトライし、興味のある世界を覗いてみましょう!

 

③国際協力は就「社」ではなく、就「職」の視点が大切

ここまで読んで、「国際協力ていろいろな形態があるんだなー。興味がわいてきた!」と思った方は素晴らしいです。

しかし、ここで大切なことは、その組織に所属ことがゴールではないということです。

あくまで国際協力で重要なのは必要な支援を必要なひとに届けること。そのためには、専門知識、多様なスキルや知見を持った人材が必要です。「国際協力」はある種、器のような存在で、多くの専門知識を持ったプロ集団で成り立っています。就職すれば安泰ではない、と理解していただけると思います。

私の周りでも、仕事をしながら資格を取ったり、大学院へ通ったり等、専門性を高めるために努力している方がたくさんいます。また、その資格や大学院の学びを仕事でも生かし、さらに専門性を高める、といった主体的にキャリアを形成しています。日々の仕事プラスαの姿勢が求められます。

就「社」ではない、まさに就「職」という視点が、特にこの国際協力の分野では必要になります。その視点でご自分の興味のある分野に飛び込んでいただければと思います。

 

まとめ:国際協力の仕事は大きく5つ、でも就「職」、キャリアを自分で作っていく姿勢が大切

記事のポイントをまとめます。

  • 仕事は大きく分けて5つ:「国際機関」「政府系機関」「NGO・NPO」「民間企業」「ボランティア」
  • キャリアの始め方も具体的にイメージしましょう。まず興味のある分野を覗いてみることが大切。
  • インターンや、ボランティアをやってみて、自分の興味と実際のリアルのすり合わせをしキャリアの方向性をイメージしましょう。
  • でも国際協力は就「社」ではなく、就「職」の視点が大切。
  • 日々の業務と併せて自らの専門性を高め、自らキャリアを作っていく姿勢が必要。

このようなイメージでしょうか。結論として、5つの仕事を意識しつつ、自分の興味があることトライしていきましょう、ということですね。

インターン、ボランティアの経験は人生を豊かにするコミュニケーション力が身につきます。それは将来仕事を進めるうえでも非常に重要なスキルです。現代を生き抜くうえでは必要な投資だと思いますので、ぜひトライしてみてください。私も引き続き自分の専門性を高める努力をしていきます!

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