国際協力師への道

ODA、国際協力業界の用語をわかりやすく解説!

2021年2月24日

ODA用語ってわかりにくいですよね。

この業界にいないとぴんと来ない言葉が多いです。

今日はそんな業界用語を簡単に紹介していきたいと思います。

政府開発援助=ODA(おーでぃーえー)ってそもそも何?

「ODAってお金配るだけじゃないの?」と思われる方いらっしゃるかもしれませんが、結構細かい分類があります。

ODAとは 、開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動です。

「経済協力」には 、その他の公的資金の流れ(OF)、国際協力銀行が行う民間の輸出信用や直接投資に対する金融等、民間資金(PF)及び非営利団体による贈与を含みます。

なかなか専門用語だらけでわかりにくいのですが、以下図をみればよくわかります。

公的資金、つまり日本政府が出すお金の中でも、途上国の発展に寄与するものをODAと呼ぶ、ということですね。

出典:(ODA) 開発協力,ODAって何だろう | 外務省 (mofa.go.jp)

ODAをさらに細分化したのが、以下の図です。

ODAといっても、中には「二国間援助」と「多国間援助」に分かれます。

「多国間援助」は、日本政府が国連やUNICEFなどの国際機関へお金を出すことです。

特定の国ではなく、その機関をとおして、資金が使われることになります。

出典:ODAとJICA | 国際協力・ODAについて - JICA

一方、二国間援助は、特定の国に対して行うもので、中でも「贈与」と「貸付(有償資金協力)」に分けることができます。

贈与は開発途上国・地域に対して無償で提供される協力のことで、「無償資金協力」と「技術協力」があります。

ざっくりお話しすると、無償資金協力は相手国へモノをあげること技術協力は相手国の人材を育成すること有償資金協力は相手国へ(橋とか道路とかを作るための)お金を貸すこと、です。

また、二国間協力に関係する協力は国際協力機構(JICA)に一元化されています。

 

1号業務、2号業務、3号業務ってなんだ?

これはJICA用語ですが、それぞれ協力の方法を「1号業務」や「2号業務」のように呼ぶことがあります。

実はJICAがJICAたる根拠となる法律があります。それが「独立行政法人国際協力機構法(通称JICA法)」です。

このJICA法の13条に「業務の範囲」というのがあり、その順番で呼び方を決めています。

  • 1号業務・・・技術協力
  • 2号業務・・・有償資金協力
  • 3号業務・・・無償資金協力
  • 4号業務・・・(青年海外協力隊のような)ボランティア事業、市民参加事業
  • 5号業務・・・海外移住者支援
  • 6号業務・・・国際緊急援助
  • 7号業務・・・国際協力に必要な人材養成と確保
  • 8号業務・・・調査および研究
  • 9号業務・・・上記1~8に付帯する業務(主に事業の評価や広報活動)

1号業務というのは「技術協力に関係する業務」ってことですね。

JICAはJICA法に書いている範囲で仕事をしていることになります。

法律に縛られているのですが、新しいことでもなんとかこの法律の読める範囲でいろいろ頑張ってるわけですね。

「これは〇号業務で読めるかもしれない」といったように、なんとかJICAとして仕事できないか知恵を絞るわけです。

新しい取り組みとしては、「国際協力機構債権(通称JICA債)」です。

社会貢献債としてのJICA債 | JICAについて - JICA

JICA債を使って市場からお金を集め、有償資金協力で使う資金の原資とするものです。これは2号業務、として扱ってますね。

 

ODA業界用語いろいろ

ここからは、ODA業界の用語を少しご紹介します。これを知っていればあなたも業界通?

ロジとサブ

サブはサブスタンスの略です。中身のことですね。

ロジはロジスティクスの略です。サブを実現するための手続き、です。

通常はサブが重要視されるのですが、実はこの関係は深く一筋縄ではいきません。

ロジを怠ると、サブもできなくなる、という関係にあるためです。

例えば、ある時間に大人数で会議を行うとします。会議の内容はサブです。

一方、どの会場で行うのか、開始時間は何時か、現地集合にするのか、車を出すのか、等々すべてがロジになります。

ロジが一つでも欠けると、会議がうまくいかない場合があります。そのためにロジも非常に重要です。

デマケ

デマケ-ションの略です。

部署の役割分担や権限関係をはっきりさせること。

役割分担の明確化ですね。

デブリ

宇宙を舞うゴミのこと、、、ではなく、デブリーフィングの略です。

業務を終えた担当者に質問することによって、報告を得ることです。事後報告をかっこよくいう感じですね。

更問(さらとい)

不明確な文章や説明に対して、さらに確認のために質問することです。

まるせい

北海道の有名なバターサンド、、、ではなく、政治家が関係する案件のことを指します。

いろんな意味が含まれている言葉ですね。。。

お土産

外国のお偉い人が来た際に、その人の外遊の手柄、成果として持って帰ってもらう案件を指します。

(いろんな意見あると思いますが)ODAが国と国とのお付き合いという側面を表す言葉ですね。

頭出し

まだ中身や細かい点が固まってないけど、あらかじめ関係者に内容を伝えること。

いきなり大きい話を持っていくと、相手もびっくりするので、その驚き度合いを緩和するために行ったりします。

 

いかがだったでしょうか?

どの業界も独特の用語を持っていると思いますが、国際協力業界もいろいろな言葉がありますね。

ここに紹介したのはほんの一例です。

用語の説明はまた機会をみてご紹介していきたいと思います。それでは!

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