

本記事の内容
- ①MDGsで達成できたこと➾貧困が半減!初等教育がほぼみんな受けられるなった!その他にもいいこといろいろ!
- ②MDGsの成果を理解すると世界がよく見える!
- ③MDGsの課題は?➾SDGsへ引き継がれることに
本記事の信頼性
記事を書いている私は、プロとして国際協力を仕事にして4年、アマ時代も含めると17年国際協力に携わっています。
現在は国際協力機関で働いています^^
読者さんへの前置きメッセージ
本記事では「国際協力に興味あって、SDGsを理解するために、前身であるMDGsから理解したい!」という方に向けて書いています。
この記事を通して、MDGsの成果を理解し、世界がどのように変化したのかしっかりイメージできると思います。
いきなりSDGsから入ってしまうと、「世界はこんなに発展が遅れているのか!」と認識してしまいがちですが、MDGsからの流れを理解すると、SDGsがどこにフォーカスしているのかが見えてきます。
それでは、さっそく見ていきましょう!
①MDGsで達成できたこと➾貧困が半減!初等教育がほぼみんな受けられるなった!その他にもいいこといろいろ!
まずMDGsとは何かを学び、その結果を確認していきましょう!
MDGsとは?
2000年9月、国連ミレニアム・サミットに参加した189の国によって採択された「国連ミレニアム宣言」。これをもとに2015年までに達成すべき国際社会共通の目標としてまとめられたのがミレニアム開発目標(MDGs)です。
世界各国合意した、世界規模の約束、ってところですね。
期間が15年、というのもポイントですね。この15年という期間はSDGsにも引き継がれています。
8つの目標
MDGsには8つの目標(Goal)がありました。このほかに、より具体的な目標となる21のターゲットと60の指標が設定されました。
8つの目標それぞれのターゲット、そして成果
8つの目標には、それぞれより具体的な目標があります。これをターゲットと呼んでいます。
こちらでは、主要ターゲットの紹介と2015年でどこまで達成できたのか記載していきます。
ターゲットに記載している数字は、いずれも1990年代と比較して2015年までに達成する目標、という前提があります。
つまり1990年代の世界と比較して2015年はどのように変化しているのか、がわかります。
以下、国連ミレニアム開発目標報告と、日本ユニセフ協会、交際連合広報センターを参考に作成させていただきました。
.極度の貧困と飢餓の撲滅
主要なターゲット:1日1.25米ドル未満で生活する人口の割合を半減させる。飢餓に苦しむ人口の割合を半減させる。
その結果は?
- 極度の貧困(1日1.25米ドル未満で生活)で暮らす人の数は、19億人➾8億3,600万人、半数以下に減少!
- 途上国や地域における栄養不良の人々の割合は23.3%➾12.9%と、ほぼ半減!
- 5歳未満児のうち低体重の子どもの割合は、ほぼ半減!
.普遍的初等教育の達成
主要なターゲット: すべての子どもたちが、男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする
その結果は?
- 途上国の初等教育純就学率は、80%➾91%に増加!
- 若者(15〜24歳)の識字率は、83%➾91%に向上!
.ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
主要なターゲット: すべての教育レベルにおける男女格差を解消する
その結果は?
- 途上国の3分の2以上で、初等教育の就学率において男女の格差が解消!
.乳幼児死亡率の削減
主要ターゲット: 5歳未満児の死亡率を3分の2減少させる
その結果は?
- 5歳未満児年間死亡数は1,270万人➾590万人と、53%減少!
.妊産婦の健康の改善
主要ターゲット: 妊産婦の死亡率を4分の3減少させる
その結果は?
- 妊産婦死亡は、10万人あたり380人➾210人に減少(死亡率は45%減少!)
- 熟練した医療従事者の立会いの下での出産は、59%➾71%に増加!
.HIV/エイズ、マラリアその他の疾病の蔓延防止
主要ターゲット:HIV/エイズの蔓延を阻止し、その後減少させる。マラリアおよびその他の主要な疾病の発生を阻止し、その後発生率を下げる。
その結果は?
- HIVの新たな感染は、350万人➾210万人と、約40%減少
- 推定620万人以上の命がマラリアから守られた。
- 推定3,700万人の命が結核から守られた。
.環境の持続可能性の確保
主要ターゲット: 安全な飲料水と衛生設備を継続的に利用できない人々の割合を半減する
その結果は?
- 改善された水源から安全な飲料水を入手できる人の割合は、76%➾91%に向上。1990年以降、26億人が新たに改善された飲料水を利用できるようになった
- 世界の人口の68%が改善された衛生設備を利用している。1990年以降、21億人が新たに改善された衛生設備利用できるようになった。
.開発のためのグローバル・パートナーシップの推進
主要ターゲット:民間部門と協力し、特に情報・通信分野の新技術による利益が得られるようにする。
その結果は?
- インターネットの普及率は、世界の人口のわずか6%余(2000年)から43%(2015年)まで増加。新たに32億人がインターネットの情報網につながることができた。
②MDGsの大きな成果を理解すると世界がよく見える!
いかがでしょうか。MGDsをとおして、世界は大きく改善していました!
貧困は、半減!(19億人→8億人)
初等教育もほぼみんな受けられるようになった!(80%→91%)
医療環境が良くなり、子供や妊婦さんがより健康になった!(5歳児未満、妊婦さんの死亡率が大幅減)
改めてみるとすごい数字です。
貧困、教育、医療環境が良くなるのは、国が発展するための基礎になるものです。
この数字がよくなるというのは、世界全体として、発展できたということになります。
「いやいや世界はもっと大変なことになっているはず、もっと悪化しているはず!」
このように思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、この数字は事実です。事実として、世界はこの1990年から2015年から大きく改善した、と言えます。
ただ、「改善した」ということと、「現状に満足できない≒もっと改善できる」とは両立できると思います。
改善はできています。ただ、まだまだ事実として、「貧困は残っている」「初等教育受けられない人がいる」「健康状態が悪い人がいる」状態です。
このMGDsでカバーされなかった分野や人に対して、どのように対応していくのか、そこでSDGsが誕生することになります。
③MDGsの課題は?→SDGsに引き継がれることに
MDGsでは大きな成果が得られました。一方でまだまだ改善すべき点が浮き彫りにもなりました。
まだまだ残る貧困への対応
5歳未満児、妊婦さんの死亡率を下げる対応
これまで見えにくかった国内の格差(最貧困層と再富裕層、都市部と農村部)への対応
いまだ残る男女間の不平等への対応
深刻化する環境問題、気候変動への対応
これがSDGsに引き継がれることにあるんですね。
まとめ:MDGsで達成できたこと➾世界の貧困が半減した!ほぼみんな初等教育を受けられるようになった!子供、妊婦さんの多くが健康になった!
記事のポイントをまとめます。
- MDGsで達成できたこと。多くの分野で改善していた。
- 成果として、世界の貧困が半減!ほぼみんな初等教育を受けられるようになった!子供、妊婦さんの多くが健康になった!
- 数字を見ると、「世界の状況は改善している」と言える。でも「まだ状況はよくない」と同時に言える。
- MDGsの課題は?➾SDGsへ引き継がれることに
このようなイメージでしょうか。結論として、MDGsをとおして世界の貧困が半減した!ほぼみんな初等教育を受けられるようになった!子供、妊婦さんの多くが健康になった!、というところでしょうか。でもまだまだ課題が残っていて、それがSDGsへ引き継がれた、ということですね。
国際協力の歴史を理解することで、今世界で何が求められているのか、「援助の潮流」を理解することができます。それでは!