国際協力師への道

質問:NGOの給与はいくら?(答え:大手30代で326万円!)

悩む人
NGOに興味があるのですが、給与っていくらくらいもらえるのでしょうか。気になる。
調査結果があるので一緒にみていきましょう。
みかむらシンジ

本記事の内容

  • ①NGOの給与はいくら?➾NGOの平均給与は、大手で30代で326万円!
  • ②福利厚生は課題あり。
  • ③日本以外のNGOの給与レベルは?➾平均68,798ドル(≒719万円)

 

本記事の信頼性

記事を書いている私は、プロとして国際協力を仕事にして4年、アマ時代も含めると17年国際協力に携わっています。国際NGOの元理事でもあります。

 

読者さんへの前置きメッセージ

本記事では「NGOに興味があるけど、やっぱり給与レベルが気になる!」という方に向けて書いています。

この記事を通して、NGOの給与レベルがイメージできればうれしいです。

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

①NGOの給与はいくら?➾NGOの平均給与は、30代で326万円!

JANIC(ジャニック)正会員およびJANICを合わせたNGO110団体を対象に、職員の待遇や福利厚生に関する調査結果をまとめた「NGOセンサス2017」を公開されています。(回答団体は52団体)

その「NGOセンサス2017」によると、30代平均で326万円 。30代男性は310万円、女性は333万円、となります。

出典:NGOセンサス2017 調査結果報告

年代ごとの平均収入をまとめると、いかのとおり。

  • 20代:平均276万円、男性262万円、女性288万円
  • 30代:平均326万円、男性310万円、女性333万円
  • 40代:平均380万円、男性328万円、女性378万円
  • 50代:平均392万円、男性375万円、女性404万円
  • 60代:平均335万円、男性345万円、女性315万円

傾向として、女性のほうがわずかだが平均収入が高い傾向があります。

 

あくまで業界内において収入規模の大きい52団体のデータであるということも大切な視点です。

規模の小さいところを含めると、平均はもっと低くなるかもしれません。

 

気になる民間企業との差は?

民間企業との差はどうでしょうか。最新の民間給与データが確認できる「令和元年度分 民間給与実態統計調査」を見てみましょう。

出典:令和元年度分民間給与実態統計調査

民間企業の2019年(令和元年)、正規雇用の平均給与は503万円でした。

この数字からもNGO有給職員は民間企業で働く職員よりは低い傾向にあるということがわかります。

一方で、民間企業は、男性561万円、女性389万円と性別による差があります。

NGOは、先ほどのグラフからわかるように大きな差はなく、むしろ女性のほうが給与が高い傾向にあることがわかります。

 

NGO職員

  • 40代:平均380万円、男性328万円、女性378万円

 

民間企業

  • 平均年齢46歳:平均503万円、男性561万円、女性389万円

 

これを比較すると、男性の給与は非常に低いことがわかります。NGO328万円 vs 民間企業561万円。

民間企業と比較すると、相対的に男性にとっては給与面で魅力が劣っている、という言い方ができるかもしれません。

 

一方で女性を見ると給与面で大きく劣っているように数字上見えません。NGO378万円 vs 民間企業389万円。

NGOセンサスのデータはNGOでも大手の平均ですので、業界全体の数字ではありませんが、女性はNGO、民間企業ともに給与水準は大きな差はないといえます。

 

給与水準もあってか、実際以下グラフでは、各在籍年数で男性は総じて女性よりも少ない傾向があります。

出典:NGOセンサス2017 調査結果報告

 

②残業、住居など福利厚生には課題

次に福利厚生をみていきましょう。

こちらもNGOセンサスで調査されています。

出典:NGOセンサス2017 調査結果報告

基本給や通勤手当・社会保険・労働保険などといった基本的な手当・福利厚生は整備されているのがわかります。

一方で、残業手当・退職金は約半数で、住居手当や扶養手当・家族手当については、全体の40%以下の団体しか支給されていない状況です。

財政的な課題があるなどいろいろ背景はあるとおもわれますが、職員が安心して働ける環境整備は途上といえると思います。

 

③日本以外のNGOの給与レベルは?➾平均68,798ドル(≒719万円)

日本以外の大手国際NGOの給与レベルはどれほどなのでしょうか。

「international ngo Salaries | SimplyHired」にて数字がまとまっています。

出典:international ngo Salaries | SimplyHired

平均68,798ドル(≒719万円)とのこと。高いですね。

もちろん、海外も日本と同様に大小いろいろな団体がありますので、一概にはいえませんが、海外の国際NGOはエリートというイメージがあります。

例えば、同じサイトのセーブザチルドレンの求人はこちらです。

remoto(=在宅)の求人もチラホラでてますので、ご興味ある方は応募してみてはいかがでしょうか?

出典:Localisation Operations Lead - Save the Children | Remote (simplyhired.com)

 

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まとめ:NGO給与は、民間比較で特に男性では給与差があるのが現実

記事のポイントをまとめます。

  • NGOの給与はいくら?➾NGOの平均給与は、大手で30代で326万円です。
  • 民間給与と比較すると、特に男性で差がある。NGO328万円 vs 民間企業561万円
  • 福利厚生は基礎的な部分は整備されているが、住居や家族手当などは課題あり。
  • 日本以外の名の知れた国際NGOは給与高い。平均68,798ドル(≒719万円)

このようなイメージでしょうか。結論として、給与面だけみると(特に男性は)民間企業との差がある状態ということがわかりました。

また違う角度からNGOの良さをシェアできたらと思います。それでは!

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