バングラデシュにあまり地震のイメージがないかもしれませんが、実は地震と無縁ではありません。
バングラデシュは、世界でも最も地震が多く発生する地域のひとつであるヒマラヤ山脈の南に位置しており、地震の潜在的危険性が指摘されています。
過去バングラデシュに最も大きな被害をもたらした のは1897 年のアッサム大地震です。
地図だとこの辺です。バングラデシュを中心にするとぐるっと回ったインド北東側になります。
以降、過去 150 年間にマグニチュード7以上の地震が 7 回!も発生しています。
2015 年 4 月に 8000 人を超す犠牲者を出した隣国ネパールのゴルカ地震では、1000 キロ以上離れたバングラデシュでも 4 人の死者を含む 200 人以上が負傷しました。
地震災害や建物の強化に対する対策の必要性が急速に高まっている一方で、都市部では近年の急激な経済発展に伴い、建物の高層化、高密化が急速に進んでいます。
写真:建築の風景①
写真:建築の風景② 国内で石が取れにくいため、代わりにレンガが貴重な建築資材
写真でもお分かりのとおり、バングラデシュの建築物の柱は、想像以上に細いものです。
さらに中に入っている鉄筋は、輸送時の事を考え「輸送用に折り曲げた鉄筋を、建築現場で叩いて一直線に伸ばして」使用します。
現場でガンガンたたいて伸ばす(伸ばせる)鉄筋の耐久性、、、不安になりますね。
国連開発計画(UNDP)及び世界銀行の調査によると、ダッカ近郊の断層でマグニチュード 7.5 規模の直下型地震が発生した場合、ダッカ都市圏では建物の約30%が全壊・半壊、死者が約 4~15 万人と予想されています(!)
加えて、建築基準が遵守されない傾向があることから、建物の崩落事故件数も増加傾向にあります。
2013 年 4 月には縫製工場が入るテナントビル「ラナプラザ」にて、違法建築・不法な建て増しを原因とする大規模な崩落事故が発生しました。1,130 名以上が犠牲になったことでバングラデシュ経済を支える縫製産業に大きな影響を与えました。
ラナプラザの記事はこちらです。
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ラナ・プラザ崩落事故(ダッカ近郊ビル崩落事故)とは・意味 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD
ideasforgood.jp
もちろん最近では耐震性のある建築物も作られてきているかもしれませんが、残念ながらバングラデシュの建築物の耐震性に総じて疑問があるのは間違いないでしょう。
こういう場合の身の守り方ってとても難しいです。
私はとりあえず、揺れを感じたら、外に出るようにしています。
日本の災害のセオリーだと外に出るとモノが落ちてきたり等危険な場合があるのですが、住んでる家が崩壊する危険があるなら背に腹は代えられません。
揺れを感じてある程度収まったらパッと外に出る。途上国に住まわれる方は、住んでいる家が安心できないと理解して気をつけて過ごしていきましょう。