みなさまこんにちは。今日はバングラデシュでの教科書について書きます。
この問題は法的なことも絡んでくる話なので、なかなか書けなかったのですが、少し書いてみようと思います。
さてこの国の高等教育は英語で授業を行う、というのは以前書きました。当然そこで使用する教科書は外国、つまり主に米国出版の書籍になります。
しかし実際私たちはオリジナルではなく、「コピー」を使っています。ここであえて「海○版」という言葉を使用しないのは、色々な理由があります。
まず建前としてこのコピーは授業で使用するプリントと同じ扱いだということ。日本でも授業中に書籍のコピーを配ることがあると思いますが、建前はそれと同じ。私の大学の場合は、大学機関(図書館)が購入した最新書籍を、コピーセンターと呼ばれるところでコピー。すべてのページをコピーし、冊子にして学生に販売しています。その際に払う金額はあくまで「コピー代」。でも見た目は教科書のような感じ、というわけです。
今のバングラデシュの著作物に関する法律を調べる必要がありますが、日本の法律によると著作権法35条で教育機関での教育目的の複製は認められているようです。そうするとバングラデシュのこのシステムはぎりぎりOK?ということになるのでしょうか。この辺り若干グレーな感じがします。
これまですべてオリジナルで勉強してきた日本人の私としては、コピーで勉強している現状に違和感を覚えているのは否めません。他国で出版された最新書籍のコピーを使って、バングラデシュ人が英語で勉強する。最短距離で最新の知識を手に入れる方法ではあると思いますが、どうしても何か違和感を覚えてしまいます。
それもあって私はネット通販のamazonでオリジナルを購入するようにしています。しかし当たり前ですがこれが高い。オリジナルの値段はどれも1万円から2万円。確かに発展途上国の人には不可能な価格帯ではあります。しかしコピーで勉強する。この現状が本当に正しいことなのか。。。うーん、と考えてしまうことがあります。
この国で教育を受けるものとして、これからも考え続けていきたいと思います。今日はこの辺で。それではまた。
写真①:ダッカ北部トンギで行われていたイスラム教の集会ビッショ・イジュテマ(Bishwa Ijtema)が終わり、皆さん帰路へ。ダッカでは珍しいバスの上に乗車する方々。
写真②:大学のコピーセンター。ブレブレですみません。
写真③:ペプシコーラ。2月19日バングラデシュで開幕するクリケットのワールドカップ(ICC Cricket World Cup )仕様。チケットが発売されたり盛り上がってきました。ワールドカップについてはまた別途記載致します。
写真④:秋学期(9-12月)の授業の結果が張り出されてます。
写真①写真②
写真③
写真④

バングラデシュでの教科書の問題
2011年2月1日