途上国滞在記

バングラデシュ独立の手紙

2010年12月8日

みなさまこんにちは。今日ダッカは乾季の雨です。大学から雨に濡れて帰ってきました。外はすごく寒いので暖かくして寝ようと思います。さて今日はバングラデシュ独立のお話でも。
先日、大学の食堂で友人と話をしていたら、バングラデシュ独立の話に。
友人:「そのしん、君はバングラデシュのことをもっと知りたいと言ってたな」
私 :「そうだね。文化とか歴史とか幅広く知りたいと思ってるよ」
友人:「ヘイ!だったらこれを読むべきだぜ!」(この友人はこんなノリ)
と言って彼が渡してくれたのは「エカットレル チティ(直訳:71の手紙」。独立戦争に参加した兵士たちの家族への手紙をまとめたもの。彼曰く、文章はとても易しく簡単だが、この手紙から当時の戦争の様子が分かるという。バングラデシュ版「きけ わだつみのこえ」(岩波文庫出版)といったところでしょうか。
1971年バングラデシュ建国にはとても多くの血が流れました。1947年イギリスから独立後、当時東パキスタンだったバングラデシュは当時の西パキスタン(現パキスタン)から経済的、政治的、文化的に多くの面で差別的扱いを受けていました。しかし1970年末の選挙で政党アワミ・リーグ(AL)が過半数を獲得。翌年3月26日AL党首ムジブル・ラーマンの声明としてバングラデシュ独立が宣言、西パキスタン軍による一斉攻撃が開始され内戦状態へ突入します。5月にはパキスタン軍がバングラデシュ全土を制圧し独立戦争はゲリラ戦に。バングラデシュでは大量殺戮が行われ、100万人がインドへ避難したといいます。その後インドがこれに介入(第三次印パ戦争)し、パキスタン軍がバングラデシュから撤退。12月16日8ヶ月にわたる内戦が終結しました。政府発表によると300万人のバングラデシュ人がこの戦争でなくなったといいます。多くの犠牲の上についにバングラデシュは独立を手に入れたのです。この戦争がバングラデシュ人の重要なアイデンティティの一つであることは、疑いようがありません。
実は彼にこの本をもらったとき、嬉しさを感じました。なにかバングラデシュから「君にはこの国を深く知る権利がある」と言われたようで。うーん、これは考えすぎか。
今この本を空き時間に読んでいます。易しい文章ばかりですが、想像力が必要な手紙ばかりで読み物としては難敵。じっくり読もうと思います。彼曰く、もっと知りたかったら「独立戦争時の新聞記事をまとめた本」があるから貸してくれるとのこと。それも楽しみ。バングラデシュについての勉強はまだまだ続きます。今日はこの辺で。それではまた。
写真:「エカットレル チティ」
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