みなさまこんにちは。先日マイメンシン(ダッカから北へ120km)へ行った際に、バングラデシュの少数民族、ガロの方のお宅へお邪魔しました。少しこの国の少数民族について書こうと思います。
バングラデシュはベンガル人が大多数を占める国ですが、統計によると1%がその他部族であるとされています。ガロはその少数民族のグループの一つです。彼らはチベットあるいはミャンマーから移住してしてきたとされ、北中部、北東部の国境沿いに集中して住んでいますが、マイメンシンには1万5000人のガロが住んでると言われています。ガロの約80~90%はクリスチャンとされています。顔立ちはモンゴロイド系で我々に非常に近いです。
今回夕食にお呼ばれしたのはそんなガロの方の自宅。お話の中でガロの方は自分たちのことを「マンディ」と呼ぶのだと教えてくれました。マンディには「人」という意味があるらしいのです。
ここで初めて私はガロの方が固有の言語を持っている事を知りました。バングラデシュに関わって7年になるのに、そのことを私は全く知りませんでした。お恥ずかしい。ガロの言葉についても色々教えていただきました。
ガロも中にもさらに大きく4つのグループが存在するとのことです。名前は、アットン、ハッベン、ミッガン、ドゥワル。4つのグループそれぞれが固有の言語を持っているとの事です。例えば、「お腹が空いてますか?」はベンガル語で「キダ ラクチェ?」、ガロのアットン語では「マイ シャアトマ?」、ハッベン語では「ウキエ トクマ?」。単語的にも文法的にもベンガル語と全く異なることがわかりました。しかもなんとガロの中でもこの異なる言語を繋ぐための公用語があるとのこと!益々興味深い。
お話によると、固有の文字はなくあくまで口頭での伝承とのこと。しかし最近研究者がアルファベットで言葉を残す活動をしているらしいとの話もありました。私は言語学者ではありませんが、このような言葉についての話は非常に興味があります。また色々勉強してみます。
他の少数民族の方は、チッタゴン管区(南東部)にも多く住まわれています。99%ベンガル人の占める社会で彼らのようなマイノリティーへの待遇は決して良いとは言えません。チッタゴンでは未だベンガル人と少数民族とのイザコザが起きています。ベンガル人の社会との融合が進むにつれて、少数民族のアイデンティティは一体どうなっていくのでしょうか。自分の母国語が必要なくなる世界。想像しただけでとても悲しい気持ちになります。今日はこの辺で。それではまた。
写真:マンディトルカリ(マンディのカレー)の一つ。油を使わない「なすとチキン」のカレー。使っているスパイスが違うのか、普通のチキンカレーと全く違う味わいがしました。やっぱりその国の家庭料理が一番おいしい。

バングラデシュの少数民族
2010年11月26日