今日はダッカは晴れ。昨日は雨が降りましたが今年は本当に雨が少ないです。なんといっても水没しているところがない。雨季はどこかしらが水没しているんですが、今年はありません。他の国パキスタンや中国では大雨で洪水や土砂崩れが起きたのに、バングラデシュでは雨が降らないことが温暖化の影響として出ているのでしょうか。
さて今日はバングラデシュでの宗教について。割合は文献で若干異なりますが、「2010年度版データブック(二宮書店出版)」によると、イスラム教85.8%、ヒンドゥー教12.4%、キリスト教0.7%、仏教0.6%となっています。
ヒンドゥー教徒のインドのへの流出は続いているとも聞きますが、基本的に宗教間で大きな小競り合い等はなく両者は尊重し共存しています。
宗教を尊重する姿勢は祝日にも表れています。イスラムのお休みだけではなく、仏誕際、ドゥルガプジャー、クリスマスなどなど、仏教、ヒンドゥー、キリスト教のお祭りも祝日となっています。
実は11世紀ごろまで、このベンガルの地に仏教王朝が栄えていたことをご存知の方は少ないのではないでしょうか。当時の建築物としては世界遺産にもなっているラッシャヒ管区パハルプールの仏教寺院遺跡。8~9世紀に当時のパーラ王朝によって建立されたものです。
その後イスラム王朝の時代が始まりモスク建築が行われていきます。この時代の有名な建造物はクルナ管区バゲルハットのモスク郡。15世紀ここを開拓したカン・ジャハン王によって建立され、世界遺産にも登録されています。大小さまざまなモスクがあるのですが、一番圧巻なのがシャイト・ゴンブズ・モスジット。モスク郡では最大の大きさで屋根には小さなドームが60ほど並び美しいアーチを描いています。16世紀からはムガール帝国がこの地を支配し多くの人がイスラム教へ改宗しました。その後時間をかけてこの地がイスラム化し現在に至っています。
ただ宗教上互いに尊重してるとはいえ、バングラデシュにも民族問題は存在します。チッタゴンの先住民族の方々やミャンマーから移住してきた方々等ベンガル人というある種単一民族の国家の中では人権問題等課題が多いです。こちらは宗教上というよりも民族問題の部分が大きいと思うので別の機会に記述します。
上記のように、歴史の中でヒンドゥーや仏教を経てイスラムの文化が浸透していくことなったわけです。
私は宗教を尊重することや、バングラデシュ人のおもてなしの心などは、このような多数な宗教文化をこの地が経験しているからではないかとも思ったりしています。今日はこの辺で。では。
バングラデシュでの宗教
2010年9月13日