途上国滞在記

バングラデシュの国語

2010年9月11日

今日はイード。イードが一日ズレた影響で祝日もズレることになります。昨日がイードだった場合、12日(日)までお休みだったのですが、1日ズレたため13日(月)まで皆さんおやすみ。月が見えるかどうかで祝日も変わるので、いかにイスラムの教えが生活、政治的にも浸透しているか分かります。日本ではこのようなことはないので、イスラムの国に住む面白さの一つであると思います。
さて今日は言葉のお話。
バングラデシュでは国語として「ベンガル語」という言葉が話されています。バングラデシュという国名自体も「ベンガルの国」という意味があります。元々「ベンガル」という地域は現在のバングラデシュおよびインドのカルカッタのある西ベンガル州を含む地域全体を指していました。政治的にバングラデシュが切り取られる形になりましたが、現在話者はバングラデシュおよびインド西ベンガル州を合わせると約2億3,000万人ほどいると言われ、世界で6,7番目に多く話されている言語です。
サンスクリットを祖語としており、語順は日本語と同じSOV型。文法的には日本語と大体同じですので、日本人にとっては非常に学びやすい言語の一つだと思います。文字としてはヒンディー語等に似てるというとみなさまにはイメージしやすいのではないでしょうか。
ベンガル語で有名なのは1913年アジアで初めてノーベル文学賞を取ったベンガル語詩人タゴール氏。バングラデシュ国家「ショナルバングラ(黄金のベンガル)」の作者でもあります。
さてそうは言ってもベンガル語が話されているのはバングラデシュを含む一部地域のみ。ヨーロッパ言語のように世界に広がって使われているわけではありません。これまで話者数が多いといっても日本ではほとんど馴染みがないという方がほとんどではないでしょうか。
ただ、ヨーロッパのアパレル企業が進出したり、日本のユニクロがバングラデシュで展開したりと、今後経済的にこの国が注目されているのは事実です。理由は多くあるかと思いますが、一つは安価な労働力。賃金の上がってきた中国等に変わる生産拠点としてバングラデシュを考えている企業は多いです。現在ダッカの繊維工場で服を作ったりする方々の月給は3,000~5,000tk(≒3,900円~6,500円)と言われています。コストに人件費が多く占めるアパレル等の産業には魅力的な市場となっているわけです。
今後経済的に中国、東南アジア等に次ぐ国として世界から熱い視線が注がれているバングラデシュ。その国の公用語を勉強してみるのもなかなか面白いと思うのですが、みなさまいかがでしょうか。
写真:私のベンガル語の先生が書いたベンガル語学習教科書。日本にある数あるベンガル語教科書の中でも一番の良書。これを勉強するだけで上級者の仲間入り!!
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本名:基礎からはじめるベンガル語学習
出版社:㈱国際語学社
著者:ムンシ K. アザド、ムンシ R. スルタナ

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