バングラデシュの全教育機関は2020年3月17日から閉鎖が1年以上続いています(!)
学校が1年以上閉鎖しているって想像できますでしょうか。
今日も最新ニュースを見ていきましょう!
バングラデシュの教育機関の閉鎖は継続
バングラデシュ政府では、小学校と幼稚園の閉鎖を5月29日まで延長することを発表しました。
Closure of primary schools extended till May 29 | The Daily Star
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こちらの記事をむりやりまとめると以下のとおりです。
①初等教育省は本日、コロナウイルスのさらなる蔓延防止策として、小学校と幼稚園の閉鎖を5月29日まで延長しました。
②学生はコロナウイルスの蔓延を防ぐために家にいる必要があり、オンライン教育は閉鎖期間中も継続する必要があると述べた。
③また文部省はすべての中等教育機関と高等教育機関の閉鎖を5月29日まで延長することも発表した。
④2021年3月、教育相は、5月23日のイード休暇の後、中等学校や大学での対面授業が再開されると述べていた。
⑤教育機関は昨年3月17日から閉鎖されています。閉鎖は試験のキャンセルにつながり、カレンダーを混乱させました。
⑥多くの学校、大学もオンラインクラスを実施しています。しかし、多くの学生はデジタル対応できず取り残されている状態である。
なんと去年2020年3月17日から、小中高大学ともに、ずっと閉鎖が続いているのです。
コロナウイルスは確かに非常に怖いと思いますが、若年層が感染した場合の影響は軽微であることは確立しています。
そのため、このように1年以上学校が閉じてるのは非常に違和感があり、驚いています。
日本も2020年の4~5月の緊急事態宣言後は学校再開しましたしね。
この長期わたる学校閉鎖に対して、学生はどう考えているのでしょうか。
長引く閉鎖に対して抗議活動も
この長引く閉鎖について学生も不満がたまり、2021年2月に抗議活動が行われています。
Colleges Under NU: Students protest exam deferral | The Daily Star
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ダッカのシャハバッグの交差点でデモをする学生たち。
出典:National University: Protests flare up demanding continuation of exams | Dhaka Tribune
この記事を無理やりりまとめると以下のとおりです。
①全国の学生が道路でデモを行い、試験を延期するという当局の決定に抗議し、試験の継続を要求した。
②国立大学(NU)の試験の継続を要求するデモと、警察が衝突し、少なくとも7人の学生が負傷した。
③さらに、チッタゴン大学、ラジシャヒ大学、およびシレット大学、チャンドプール大学のさまざまな大学の学生が同じ要求でデモを行いました。
④全国の国立大学の抗議を受けて、試験の実施を決定した。
⑤また政府はすべての大学がイード休暇後の5月24日に再開すると発表した。
今年2月に全国で起きた学生デモは、「試験を実施しろ!」という学生らしからぬ主張だったのですね。
試験をしないと進学できないですし、卒業もできません。
卒業できないと就職にも影響があったりと、学生にとっては切実です。
しかもこの2月のデモの時、政府はイード休み後の5月24日に学校を再開することを約束していました。
この約束もロックダウンが延長したために、結局5月末まで延長することが決まったようですね。
オンライン授業の実態は?私立大学のみで、国立大学は後れを取っている
バングラデシュの大学でオンライン授業はきちんと行われているのでしょうか。
こちらの記事で、国立大学ではきちんと実施されていない現実が分かります。
The realities of online education in Bangladesh | The Daily Star
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こちらの記事を無理やりまとめると以下のとおりです。
①大学が閉鎖して1年以上たっているが、オンライン授業はきちんと行われていない。特に公立の大学は厳しい状況である。
②多くの私立大学が講義を計画されたスケジュールにそって行っていて、きちんと卒業し就職している。しかし、公立大学は試験が行われず、卒業ができない状況になっている。
③ダッカ大学の学生でも、自宅にWiFi設備がない学生の多くは、オンラインクラスに参加するためにインターネットアクセスを提供する近くのカフェやショップに行ったりすると述べている。それでも、定期的に授業に出席することはできません。
④授業の資料がきちんと配付されることもないため、ITインフラがない学生は非常に厳しい状況に追い込まれている。
せっかく努力して、ダッカ大学(東京大学のようなところですね)に入学したのに、大学は閉鎖。オンライン授業もまともにしてもらえない、ちゃんと試験もされない、いつ卒業できるかわからない。
かなりつらい状況です。
私立大学と、公立大学の格差が、ここまで広がっているのも考えさせられるものがあります。
大学だけでなく、小中高レベルでも、公立と私立で格差ができていることが想像できます。
まとめ:学校閉鎖は1年以上。私立、公立の教育格差はさらに拡大。
本記事についてのまとめは以下のとおりです。
①バングラデシュの大学を含む学校は、2021年3月17日から1年以上閉鎖状態が続く。
②政府はオンライン授業を推奨するが、公立と私立では格差が拡大。公立では予定通りスケジュールをこなすことも難しい状況。
③公立大学の学生は、現状に不満。2月にデモが起きたが、再開見込みがない状況で不満がまた爆発する可能性も。
若い時の時間は貴重です、しかし勉強できず、時間だけが進むのは非常にやるせない気持ちになります。
周りの教育関係者に聞いても、なぜ政府が頑なに学校を再開しないのか本当の理由がわからない、と言っています。
できるだけ、学校は開ける方向で進んでもらえるとありがたいのですが。。。
この1~2年の教育の遅れは、バングラデシュの人材育成に対して大きな禍根を残すことになると思います。
今後も注視したいと思います。