

本記事の内容
- ①中途採用(社会人採用)選考プロセスのおさらい、エントリーシート・ウェブ試験、一次面接、二次面接、最終面接の流れ
- ②各面接で実際に聞かれたこと。STAR(スター)手法が決め手!
- ③いま国際協力で生計を立てている私が思うこと
本記事の信頼性
記事を書いてる私は国際協力歴17年です。コロナ前にJICAの中途採用の最終面接まで経験しております。学生時代に途上国で1年間NGOボランティアも経験。民間企業で働きながら、国際協力NGOでプロボノとしてお手伝い。その後、国際協力機関の総合職に転職し、今は途上国発展のためのお手伝いをしています。
読者さんへの前置きメッセージ
本記事は「JICAの中途採用(社会人採用)に興味があるけど、何から手を付けていいかわからない。」「どんな準備をすればいいかわからない」という方に向けて書いています。
この記事を通して、国際協力の世界に飛び込んでみたいと思ってる方の背中を押せたらとてもうれしいです。
それでは、さっそく見ていきましょう!
中途採用選考プロセスのおさらい
私が応募した際の選考プロセスを記載します。
●一次選考:書類・ウェブ試験
●二次選考:一次面接(20~25分程度、1対1、スカイプ可)
●三次選考:二次面接(20~25分程度、2対1、スカイプ可)
●四次選考:最終面接(20~25分程度、5対1、本部面接必須)
※詳細はこちら➾採用情報 | 独立行政法人 国際協力機構 JICA 社会人採用サイト
書類選考を含めると、合計4つの選考があります。長いですね。。。ただ、二次選考(一次面接)から四次選考(最終面接)までは、計1か月で終わりましたので、始まれば早かった印象があります。
今年は、7月から応募受付が始まるようです。応募をご希望のされる方の参考になれば幸いです!
それぞれの選考でどのようなことが行われたのか、記載していきます。
エントリーシート・ウェブ試験(玉手箱)対策
エントリーシート・小論文
エントリーシート
マイページ(国際協力機構(JICA)社会人採用マイページ )で、アカウントを作った後に、JICAフォームに従って履歴書を含めたエントリーシートを作成していきます。
英語だけでなく、他のメジャー言語で資格を持っていれば記載していきましょう。
JICAの過去案件に携わった方は、記載する場所がありますので、そちらも記載していきましょう。
与えられたスペースを最大限活用して、できる限りアピールしていきましょう!
小論文
私の時は、エントリーシート提出時に以下のお題で小論文を2つ提出しました。特段制限時間はなく、単純に提出するのみでした。
小論分のテーマは以下の2つでした。
①JICA志望理由とあなたが貢献できること(800字以内)
②これまで一番力を入れて取り組み、成果を出した仕事はなにか(1000字以内)
①の志望理由については、これまでのキャリアをどうJICAの仕事に転換できるのか、どうして自分のキャリアの延長線上にJICAがあるのか、を説明するイメージでしょうか。
国際協力を志すということは、何かこれまでの人生、キャリアの中で何かしらの「きっかけ」があると思います。
そのきっかけから何を感じ、そのきっかけという種をどのように育ててきたのか、というストーリーを皆さんそれぞれお持ちではないでしょうか。
そのストーリーをしっかり表現していきましょう!
②の仕事での成果は、ある種の「これまでの仕事でどんな手柄をあげたのか?」ですね。
その手柄がいかに困難で、どんな工夫をして最後に具体的にどのような成果をあげたのか、ストーリーをもって説明できるといいですよね。
また最後にその手柄で何を学び、それがどのようにJICAを志向することにつながるのか、そこまで書きき切りましょう!
小論文何からやっていいかわからない方は、こちら参考にしてください。
ウェブ試験「玉手箱」対策
一次選考の一番の関門、それはウェブ試験だと思っています。
私の時のJICAのウェブ試験は「玉手箱」でした。これはもしかしたら変更になっている可能性があるので、最新の情報はしっかりググってチェックしてください!
玉手箱は、「言語・計数・英語」の3分野から成るテストです。
社会人になって、この手の就職活動のための勉強は非常になえてしまいますが、これは腹をくくって勉強しましょう。勉強不足で一次選考で落とされるのは悲しいですので。
私が一番苦労したのは、「計数」です。これは、就職活動用の独特の数学です。電卓使用OKなのも特徴でしょうか。
単純な足し算引き算ではなく、前後の数字や全体を見て、あるパターンを読み取り計算していくという能力が求められます。これはもう問題を解いて慣れるしかありません。
出典:【玉手箱:完全対策】言語・計数・英語の例題や最新の出題企業を掲載 | 就職活動支援サイトunistyle (unistyleinc.com)
こういう数学、私はとても苦手です。
これはもう観念して玉手箱の問題集を一つこなしましょう。
「英語」は常日頃からやるしかないです。
玉手箱の英語は、TOEICよりも結構難しい文章が多かった記憶があります。ただ、応募資格に「TOEIC860点以上」が求められていますので、まずTOEIC点数を上げることに集中しましょう。
下地のある方はTOEICの点数を上げるには、公式問題集を解くのが一番の近道です。
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ウェブ試験を受ける際は、必ず静かで集中できる場所と時間を確保しましょう。
ウェブ試験は3つ「言語・計数・英語」合計で1時間程度だったと記憶してます。
当時は、すべての科目を一気に受ける必要はありませんでした。一科目ずつですね。
ウェブ試験は曲者で、集中して取り組める時間と場所を作るのに意外と苦労しました。
独身の方は問題ないと思いますが、家族のいらっしゃる方(特に子供のいらっしゃる方)は、家族にその時間外で遊びに行ってもらうとか、それが難しいならテレワーク用の個室にいくなどが考えられると思います。
ただ、時間が短く、集中力が求められることや、なにかあった際に慣れない空間だとリカバリーができないということもあるので、できるだけご自分の家で受験することをお勧めします。
子供が寝た後、夜中やるのもありかもですが、集中力が切れてしまうのでお勧めしません。何とかご家族と調整して、昼間に受けましょう!
面接体験記:一次面接、二次面接、三次面接(最終面接)まで
ここからは、一次面接、二次面接、三次面接(最終面接)、それぞれでどんな雰囲気だったのか、どんな質問があったのか、まとめていきます!
あくまで一つの事例として参考にしてください。
一次面接:1対1のリラックスしたコミュニケーション重視の一次面接
一次面接は、面接官1名、応募者1名、の1対1面接です。時間は20~25分でした。
当時から地方在住の方はスカイプで面接が可能でしたが、私は本部での面接を受けました。
一次選考(エントリーシート・ウェブ試験)を通過すると、面接時間をマイページから選択することができます。
時間通りに本部の受付へ行くと、大きめの待合室に通されます。同じ時間で数名面接をするようで、私の時は私以外で5名ほど待機していた記憶があります。
自分の番になると、「○○室へ行ってください」と指示がありますので、面接室へ行きます。
ちなみに、面接時は、クールビズ(ノーネクタイ、ノージャケット)OKです。
面接官は、おそらく新任課長、もしくは課長補佐級と思われる年代。私の面接官は、40~42歳くらいの印象を持ちました。
面接は、以下のような質問の流れでした。
●オープニング:雑談1分(場所分かりましたか?から始まる雑談)
●面接:17分。質問内容は以下のようなものでした。
- JICA志望される理由はなんですか?
- 今までどんな仕事をやっていましたか?
- (小論文の内容を言及しながら)成果を出すにあたって一番大変だったこと、工夫したことは何ですか?
- (その後は、成果に対する深堀質問)
●クロージング:応募者からの質問時間2分
最後は定番の、「何か○○さんから質問ありますか?」でした。
私はJICA的な国際協力に少し懐疑的だったので、「JICAの援助は、相手国の自助努力を支援するといいますが、それって具体的にどういうことででしょうか?資料を読んでも具体的にわからないので」と質問しました。
面接官の海外駐在の経験から、真摯に回答されていたのがとても印象的でした。ご回答いただき感謝^^
一次面接では、そこまでガンガン深堀してくる印象はありませんでした。
どちらかというと、言葉のキャッチボールができるかどうか見ているような面接だったと思います。
一次面接は、書類選考と同様にふるいにかける機能もあると思うので、コミュニケーション重視なのでしょうか。(あくまで主観です)
一次面接合格の連絡は、面接後5日程度で連絡がありました。その後、すぐにマイページで2次面接の予約をします。
二次面接:2対1でより論理性を見られる二次面接
二次面接は、面接官2人、応募者1人の2対1の面接です。こちらも時間は、20~25分程度でした。
こちらも、一次試験と同様で、マイページから面接希望日時を選択し予約します。
地方在住の方は、この2次面接もスカイプOKでした。私は本部で面接を受けました。
一次試験と同じで、時間通りにいくと、大きめの会議室に通され、同じ時間で面接を行う他の応募者と待ちます。
この時は、私以外は3名だったでしょうか。自分の番になると、名前が呼ばれ面接室へ通されます。
入室すると、面接官は2名。年齢としては、40代後半~50代前半という感じでしょうか。
一人がメインで話し、もう一人は書類に面接記録を取る、そんな役割分担のように見えました。
一次面接と違い、話す人と記録を取る人の役割分担がしっかりされているためか、質問は結構ロジカルにドンドンくるイメージがありました。
転職おいては、だいたいこのニ次面接が山場と言われています。最終面接(役員面接)に上げる応募者を見極めるというわけですね。
面接は以下のような流れでした。
●オープニング:特になし。
●面接:18分。以下のような質問がありました。
- JICAを志望する理由はなんですか?
- 現在のお仕事で、大変だったことを苦労したことを教えてください。(この後、結構ロジカルに深堀をされる。なぜそういう風に行動したのか?なぜそう思ったのか?等々)
- JICAでどのようなキャリアを作っていきたいですか?
- JICAで働くと、海外出張等家を一定期間あけることがありますが、家族の理解等問題ないですか?
- 海外約100か所に拠点があり、異動は希望に添えない場合もあるが大丈夫ですか?
●クロージング:応募者からの質問2分。
結構、ロジカルにどんどん質問がくる印象を持ちました。
仕事で成果を出したという、小論文の内容についての質問が主だった気がします。
その他、キャリア形成に関する質問もありました。「世界中どこにでも異動できるか?」という質問については、これは採用されるかもわからないので、「大丈夫です」という答え一択でしょう!
二次面接の合格の連絡は、面接日から3日後でした。
(番外編)雇用前健康診断の受診
二次面接に合格すると、最終面接の前に「雇用前健康診断」を受診します。
二次面接合格後に、人事部から連絡がありますので、その指示に従いましょう。
国際協力を仕事にすると、海外出張が定期的にありますので、体力や健康というのは一つの「スキル」と言えるかもしれません。
日ごろから自分なりの健康法を実践して、健康体質を維持していきましょう!
三次面接=最終面接:キャリア構想や覚悟を聞かれる最終面接
ついにここまで来ました。これが最終面接です。
最終面接は、面接官4名+書記1名、の5対1の面接です。面接時間は25分程度だったと記憶しています。
最終面接は、これまで会議室で受けていたものと異なり、本部6階の役員フロアで面接を受けます。
マイページで時間を選択し、予定通りの時間に本部に向かいます。
最終面接は、地方在住者も本部できて面接を受ける必要があります。
時間通り来たら、本部6階に通されます。
自分の時間が来るまで、待合室で待ちます。その際に人事部の採用担当者と一緒に待ちますが、色々お話しできるので、気になる点は聞いてみるといいでしょう。
ただ、ここでもまだ「応募者」という立場をお忘れなく。
いつ、いかなる時でも見られているということをお忘れなきよう、振る舞うべきと思います。
私は、採用担当者の海外駐在の話を色々聞かせて頂き、話が盛り上がったところで呼ばれました。
面接官は4名。2名は役員クラス(理事1名、上級審議役1名)、2名は人事部の部長級。そして1名が書記として脇に座っているフォーメーションでした。
これまでの一次、二次面接と異なり、かなり重厚な雰囲気ではありました。やはり緊張しますね。
面接の流れは以下のとおりです。
●オープニング:雑談、簡単な挨拶2分
●面接:20分
- JICAを志望する動機を聞かせてください。
- 海外出張が多いが、家族との関係など大丈夫ですか。
- (小論文の成果を上げた仕事について)何が大変でしたか、何を工夫しましたか。
- JICAでどんなキャリアを作っていきたいですか。
- 自分の意にそわない人事もあると思うが、問題ないですか。
- 揉めることなくちゃんと今の会社辞めれそうですか。
●クロージング:応募者からの質問2分
突飛な質問はあまりなく、2次面接の延長のような質問が多かった印象です。
ただ、キャリア形成や、覚悟を問う質問がいくつかありました。人事異動、海外赴任、海外出張の多さなど、覚悟があるかどうかの最終確認でしょうか。
さてそんな私の結果は如何に?それは・・・内緒です!^^
面接での具体的ポイントや気になったこと
この選考をとおして気になったことがありましたので、まとめます。あくまで個人的見解ですが、参考になればうれしいです。
面接のポイント
一~三次面接をとおして感じたのは、JICAの面接手法は明らかに「STAR(スター)手法」を意識してました。
プロの面接官が面接時に使用する手法です。
単純一辺倒の質問を聞いても、その人が今の会社で活躍してるのが分かるだけで、「その人が本当にわが社で活躍できるのか?」はわからないですよね。
会社が欲しいのは、「わが社で活躍できる人材」、だからです。
一般的に、面接は2つの面を判断しているといわれています。一つ目は「優秀な人間かどうか」、二つ目は「社風にあうかどうか」です。
面接で判断すること:①「優秀な人間かどうか」
1つ目は、その人が単純に優秀かどうか、そして、わが社で活躍できるのか、を判断します。
そこで使われるのがSTAR手法です。
どのような環境で、何を担当して、具体的にどのような行動をとって、どんな結果を導き出したのか。
これら「行動」を中心に、「STAR」の流れに関わる「事実」を聞き出していくことで、海面上に出ている氷山の一角である「行動」を知ることができ、ひいては自社に必要な「スキル」を採用候補者が有しているかどうかを判断できるという仕組みです。
プロの面接官がよく使う手法です。もちろん自分の面接対策でも使うことができます。
このSTAR手法を使って自分の成果を掘り下げ、どのような背景があったのか、課題は何か、どのように仮説を立てたのか、そして実際どのように取り組んだのか、を深堀できます。
JICAの面接官も、この流れで聞いてきていると感じる場面が多々ありました。
例えば、以下のような流れで、その人の成果を掘り下げていきます。
S.Situation(環境や背景):企業はどのような状態に置かれていたのか、チームの状態はどうだったのか。
T. Task(課題や任務):課題は何か。どのような仮説に基づき、行動しようとしたのか。
A.Action(行動事実): 実際行動する中でどのように工夫したのか。
R. Result (結果):行動した結果どうだったのか、仮説と違った点があればそれはなぜか
このような流れで一つの成果について、どのようにその人が考え、行動し、その結果がどうだったのか、というのを深堀して聞いていきます。
実際仕事上で必要なことは、①情報を集め、改題解決のための仮説を立て、②行動し、③見直し、次回へ活かす、この流れだと思います。
「どのようなことを意識し、考え、仕事に取り組んでいるのか」を聞くことで、新しい職場でも仕事ができるか、客観的に判断できるわけです。
「この人は現職で活躍してるけど、それはわが社で再現性があるのか?」という判断材料を、STAR手法で面接官に与えてあげればいいんですね。
STAR手法はこちらもご参照ください。
-
採用候補者を「見抜く」ためのノウハウと質問例とは?【面接講座2】 - d's JOURNAL(dsj)- 理想の人事へ、ショートカット
www.dodadsj.com
STAR手法の詳細を知りたい方はこちらご参照ください。
面接で判断すること:②「社風に合うのか」
2つ目は、その人の立ち振る舞い、話し方から、この人と一緒に働きたいと思うかどうか、この会社で働いていて違和感がないか、を判断します。
これは、結構主観が入りやすい分野です。
雰囲気があえば良い、というわけではなく、例えば、ルールや規定等を重んじる会社であれば、その会社のルールにしっかり対応できそうかなど。
雰囲気だけでなく、これまでその人がやってきた仕事に関する質問を交えながら、面接官は情報を集めます。
「会社の社風って言われてもわからないよ!」という方は、今後JICAが行う説明会や、OBOG訪問をして直接いろいろ話を聞いてみるのをお勧めします。
JICAは、社会人採用でも「説明会」を実施しています。マイページに登録し、事前に社会人採用の説明会に参加しましょう。
私の時は、先輩職員が登場に、今の仕事や、必要とされるスキル等々を自分の言葉で語っているのが印象的でした。
そのような説明会をとおして、その会社の社風を感じてみましょう。
人事部にお願いすれば、もしかしたら、個別のOBOG訪問も受け付けてくれるかもしれません。
リモート前提なので、調整はやりやすいはず。もっと色々知りたい方は、人事部へ聞いてみましょう!
圧迫面接的なことは一切なかった
3回の面接試験を振り返ると、圧迫面接的なことは一切ありませんでした。
その点はJICAすごいなーと感じました。
非常にテキパキと、真摯に話を聞いて頂いた印象でした。なので、「圧迫面接されたらどうしよう」などは心配されなくてよいと思います。
語学ネタの質問が全くなかった
語学ネタの質問が私は一切ありませんでした。これは意外でした。
基本みなさん英語はできる前提で面接を受けているからか、もしくは私に英語の実務経験があるからなのか、質問は一つもありませんでした。
あくまで今やっている仕事でどんな手柄を立てたのか、それはどういう仮説に基づいて取り組んだのか、その点が重視されていた印象です。
後は、JICAの中でどういうキャリア形成を目指いたいか、本人の「意向」を聞くような質問が多かったですね。
語学はあくまでツールの一つ、それで何をやったかを重視している印象でした。
20分は短い➾整理して簡潔に話す訓練を!
一~三次面接において、基本面接時間は一人20~25分です。
この時間はあっという間です。かと言って自分ばかり話し過ぎると、基本的なコミュニケーションである「言葉のキャッチボール」ができませんので、質問には簡潔に答えていきましょう。
面接官も、「聞きたい質問」というのがあるはずです。いきなりその質問をする面接官もいるでしょうが、3個目くらいに投入する面接官もいるかもしれません。
最初のオープニングの質問で長々と話ししまうと、面接官のしたい質問にたどり着く前に終わってしまうかもしれません!
そのため、簡潔に答えていきましょう。深堀したい場合は、面接官がしてくれますので。
今国際協力機関で生計を立ててみて思うこと
現在、私はある「国際協力機関」で、国際協力を本業にして生活しています。
民間企業から転職したのですが、あらためてこの業界で仕事をしていて思うことをまとめてみました。
民間での社会人経験は大いに役に立つ
2006年に経産省が、経営者や有識者の意見を基に作った「社会人基礎力」。結構的を射てると思います。
今、国際協力の世界で働いていると、この3つの基礎力、「考え抜く力」、「チームで働く力」、「前に踏み出す力」それぞれ求めれていることを実感します。
特に、「考え抜く力」、つまり論理的思考力が非常に求められていると感じます。
営利企業のように、利益が上がるというわかりやすい方針がない組織で、どのように優先順位をつけて、ニーズをマッチさせ、論理的にプロジェクトを作っていくのか。これはもう頭が沸騰するような感じで、考え抜かなければなりません。
そのうえで、チームでアクションを起こしていくことにつながります。
社会人経験で、この「考え抜く力」をスキルとして意識して鍛えておくと、その後国際協力業界でも役立つこと間違えなしです。
そこに、自分がいた業界の知識が加われば、鬼に金棒です。今いる自分の業界がどういう業界なのか、マクロな視点をもって仕事に取り組まれることをお勧めします。
国際協力機関は多様な人材の宝庫、単純に楽しい!
国際協力機関は、本当に多種多様な人材が働かれてます。
それぞれの得意分野も様々です。水分野が専門の人もいれば、平和構築の専門の人もいます。交通インフラが専門の人もいます。
世界の課題を羅列するとこんなにあるんです!
教育、保健医療、水資源、ガバナンス、平和構築、運輸交通、IT、資源エネルギー、経済政策、民間セクター、農業、自然保護、水産、ジェンダー、都市開発、貧困削減、環境管理、気候変動、防災、栄養改善、スポーツ、金融などなど。
詳しくはこちらをどうぞ➾事業・プロジェクト - JICA
一つの組織の中で、いろんな専門を持った人がいて、いろんなキャリアを持った人がいて、そんないろんな人と一緒に仕事ができる!単純にその人材の多様性が楽しい!、と感じます。
大義がある
「仕事に大義がある」これって結構メンタルヘルス的に重要です。
もちろん、国際協力の世界は、利益を上げるという概念とはまた違い、いろんな利害関係を整理しながら仕事を進めなけばなりません。
ただ、その根っこには、「この国の発展のために良いことをしたい」という強い想いです。
そこには、他の仕事では得られない、大義があると私は思っています。
もちろん、身勝手になっていけませんし、「相手にとって本当に良いことなのか」、というのはしっかり見極める必要があります。(これが難しい。。。)
このような胸を張れる仕事をできているのというのは、とてもうれしいものです。それだけでもこの仕事に挑戦する価値があると思います。
まとめ:JICA社会人採用、チャレンジする価値あり!
記事のポイントをまとめます。
- ①中途採用(社会人採用)選考プロセスのおさらい。エントリーシート・ウェブ試験、一次面接、二次面接、最終面接の流れを確認。
- ②ウェブ試験は、問題集をやったりしてしっかり準備しましょう!
- ③各面接では、これまでのキャリアや成果に対して、理論的な質問が目立った。回答はSTAR(スター)手法が決め手になる!
- ④JICAの社風や仕事の実態を知るために、「説明会」や「OBOG訪問」も活用しよう!
- ⑤社会人経験は国際協力の世界で生かすことができるし、この業界で働くのは単純に楽しい!
このようなイメージでしょうか。結論として、JICA社会人採用、しっかり準備して臨むべし、チャレンジする価値あり!ってことですね。
国際協力に関わると、社会問題を解決する、解決するためにお手伝いをしている、という楽しさ面白さを味わることができます。是非一人でも多くの方にこの感覚を味わってほしいです。それでは!
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