本記事の内容
- ①学生時代にやっておくべきことその1:JICAインターン
- ②学生時代にやっておくべきことその2:海外ボランティア
- ③学生時代にやっておくべきことその3:留学プラス英語
本記事の信頼性
記事を書いてる私は国際協力歴17年です。学生時代に途上国で1年間NGOボランティアも経験。
現在国際協力機関で、途上国発展のためのお手伝いをしています。
読者さんへの前置きメッセージ
本記事では「国際協力に興味があるけど何をしていいかわからない」という方に向けて書いています。
この記事を通して、新卒で国際協力のキャリアを始めるきっかけやイメージづくりになればとてもうれしいです。
私自身、大学時代から国際協力にかかわり、そこからずっと国際協力の業界で仕事をしています。興味があるなら是非トライしてみて下さい。
それでは、さっそく見ていきましょう。
①国際協力機構(JICA)インターン
学生時代にしておいたらいいこと、一つ目はずばり、際協力機構(JICA)が実施するインターンです。
JICAは毎年2回、国内と海外の事務所で働くインターンを募集します。
基本無給ですが、非常に有意義な点が多いです。
国際協力の仕事の概要がわかる
インターン参加のオリエンテーション、インターンでの仕事を通して、国際協力業界の構造、JICAのやっている仕事について理解が深まります。
国際協力の世界で、日本はどういう立ち入りなのか?
何が今世界の援助トレンド(=一番求められていること)なのか?
古典の教科書ではわからない最新の情報に触れることが可能です。
例えば、「アフリカ開発会議(TICAD)」「自由で開かれたアジア太平洋」などなど。何が今注目されているのかわかります。
政府が掲げるテーマ以外にも、インターン中にJICA内で実施される勉強会に参加したりして、どのようなテーマが注目されているか知ることができます。
国際協力業界の概要が効率的に知る機会に恵まれるのは、JICAインターンのいいところですね。
インターン情報はこちらに掲載されます。
JICAインターンシップ・プログラム | JICAについて - JICA
www.jica.go.jp
仕事を出す側のロジックを知る
日本においては、JICAは、ODAを一元的に実施しています。
つまり、日本においてJICAは唯一仕事を発注できる側、いわば独占企業なんですね。
良くも悪くも、日本の国際協力業界はJICAの意向、ひいては日本の意向に左右されるので、どういうロジックでJICA、政府が仕事を作っているのか理解することができます。
独占企業と言っても、予算は有限です。
でも世界は課題にあふれている。そこでどの地域に、どの課題に優先して予算を配分するか、色々知恵を絞るわけですね。
この数十年で、中南米、東アジア、東南アジアから、中心がアフリカや南アジアに移ってきています。
その辺の、まさに世界のイマを感じることができるはずです。
人脈ができる
JICAインターンを通して得られる重要なモノは、人脈です。
とっても国際協力に熱い人、多いです。
インターンを通して、いろいろな人とつながり、人脈を培って頂ければと思います。
先ほどお話ししたように、独占企業なので、情報も集まりやすいです。
何か国際協力で気になることあったら、すぐに聞ける相手がいる、というのはとても心強いのではないでしょうか。
②海外ボランティア
JICAインターンを通して、仕事を作る側の現状を知ることができます。
さて今後は国際協力の現場はどうなっているのか?
それは「海外ボランティア」で体験することをオススメします。
失敗しないためにまずスタディツアーがオススメ
現場を知るためには、長期の海外ボランティアが良いですが、いきなり長期だと会わなかったり失敗したらと思うとリスキーです。
そこでまずはスタディツアーをオススメします。
通常のツアーでは、観光が旅行目的ですが、スタディツアーの場合は旅することを通じて色々なことを学ぶことを目的としています。
そのため、それほど観光客の訪れない都会から離れた場所、都会でもスラムなど、観光ではなかなかいかないような場所が訪問先になっていることも少なくありません。
現地を訪問することによって、そこで起きている様々な問題を身近に感じたり、問題を解決するための手段を考えることに繋がります。
体験型のプログラムや、現地でホームステイをするなど、直接その土地に暮らす人々と触れ合える機会を得られることが多く、この点がスタディツアーが持つ魅力の一つと言えます。
このように国際協力の現場を垣間見ることで、国際協力の現場がざっくり理解できる、という点がスタディツアーの大きなメリットです。
この「ざっくり」というのは結構国際協力では重要で、本などやネット情報も大切ですが、やはり目で見て体験した内容には説得力が出てきます。
また自分がこの国際協力の道に進むべきか、という意味でも「ざっくり理解できる」ということは、自分の気持ちを前に進めるためにもとても大切なことかと思います。
国際協力の現場を知る、そして自分のやりたいことが分かる。
国際協力がどのように行われているのか、やはり現場で体験してみるのが一番です。
飲む水がない、教育が受けられない、住む場所がない、、、ことばでわかっていても実際はどうなのか。
そこに住む人がどのような人なのか、どういう生活をおくっているのか。
ボランティアを通して、課題を身近に感じることができますし、また自分はどの分野にこれから進みたいのか、自分の欲求とも向き合うことができます。
大学を卒業して就職をしてしまうと、自分の欲求に向き合う時間は意外ととれないものです。
時間のある学生の間に、現場を知り、自分が国際協力の分野で、どのテーマに興味があるのか。自分の内面と向き合ってみることは非常に有意義です。
是非、海外ボランティアにトライをして、国際協力の現場を肌で感じてみて下さい。
海外ボランティアに関してはこちらで紹介しています。
海外ボランティアへのはじめの一歩(スタディツアーがおすすめ!)
続きを見る
③留学プラス英語
JICAインターンで、国際協力業界の概要、国際協力のトレンドを理解し、海外ボランティアで現場を知ることができました。
次は、国際協力業界で戦うための武器をそろえていきましょう。
そのために有益なのが、留学プラス英語です。
この経験が、国際協力で働くために必要な「外国語での論理的思考力」の獲得に有効なのです。
留学で外国語を使っての論理的思考を鍛える
海外留学はおすすめです。大学の交換留学などで、現地大学に留学するのをお勧めします。
現地に友達ができる、英語が学べる、色々メリットがありますが、一番のメリットは「外国語で論理的思考を組み立てる訓練ができること」だと思います。
大学なのでレポートや発表を英語で行う場合、論理的思考がいやでも試されます。
この論理的思考は、海外で仕事を仕事をするにしても、日本で仕事をするにしても非常に有益です。
例えば、海外の現場では利害関係者を説得するという仕事が非常に多くなります。
その際に、相手目線に立ち、相手が納得できるように材料をそろえ、論理的に説得していくことになります。
このような訓練を学生時代から、英語で訓練することで、将来仕事でもすごく役立つんですね。
是非留学、トライしてください
英語は必須:TOEIC860点以上目指してみよう!
留学に加えて、学生時代に是非英語TOEIC860点を目指してみましょう!
基本的に、国際協力の世界では英語が主流です。
英語ができないと仕事になりません。厳しいようですが、他の言語は英語がまずできてから。
では学生時代に目標とすべき点数はなにか、ズバリ860点を目指しましょう!
JICAの新卒採用基準は、TOEIC点数を明示していませんが、相当点数が高い人が応募することが想像できます。
そのため、860点を取れば少なくとも英語において足切りや不利になることはないと思われます。
またJICAの社会人採用では以下のように明確にTOEIC860点を求めています。
2.英語で実務遂行が可能な方(原則TOEIC860点相当以上またはTOEFLiBT100点・PBT600点以上を有している方)。
将来にわたって、この国際協力業界で働きたいと思われるなら、時間のある学生時代、是非TOEIC860点をとって頂ければと思います。
まずはとにかくこの業界に入りたい、という方はまずTOEIC730点を目指してください。以下に根拠をもってまとめていますのでどうぞ。
【事実】国際協力に必要な英語力はTOEIC730点以上(求人もチェック)
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まとめ:国際協力を仕事にしたいなら、学生時代にJICAインターン、海外ボランティア、留学・英語をやっておこう!
記事のポイントをまとめます。
- 学生時代にやっておくべきことその1:JICAインターンで国際協力業界の概要、トレンドを知り、同時に人脈もゲットしよう!
- 学生時代にやっておくべきことその2:海外ボランティアで国際協力の現場を知り、自分のやりたい分野を見つけよう!
- 学生時代にやっておくべきことその3:留学プラス英語で、国際協力業界で働くための基礎能力を手に入れよう!
このようなイメージでしょうか。結論として、国際協力を仕事にしたいなら、学生時代にJICAインターン、海外ボランティア、留学・英語をやっておこう!、ってことですね。
国際協力の世界で新卒で入るのは狭き門ですが、国際協力の業界で働くために、JICAインターンをしたり、ボランティアをしたり、(もちろん)勉強したり、是非いろいろトライしてみて下さい。
国際協力の業界で働くと、社会問題を解決するという醍醐味をダイレクトに味わえます。是非一人でも多くの方にこの感覚を味わってほしいです。それでは!