国際協力師への道

物乞いの方へどう対応する?(答え:お金を渡す、渡さない、それ以外)

悩む人
途上国へ行ったときに物乞いの人からお金を求められることがありました。どう対応していいかわかりません。
悩みますね。私の個人的考えをまとめてみます。
みかむらシンジ

本記事の内容

  • ①物乞いの方へどう対応する?お金を渡す場合→高齢の方
  • ②物乞いの方へどう対応する?お金を渡さない場合→子供、中高年の方
  • ③物乞いの方へどう対応する?それ以外→渡す渡さないをその場で考えてもいい

 

本記事の信頼性

記事を書いてる私は国際協力歴17年、途上国滞在歴も合計4年です。

現在国際協力機関で、途上国発展のためのお手伝いをしています。

 

読者さんへの前置きメッセージ

本記事では「物乞いの方にどう接していいかわからない」という方に向けて書いています。

みすぼらしい身なりの方が寄ってきて、自分に対して突き出す手。

その時にどう対応するのか、物乞いの方へどう接するか、非常に難しい問題だと思います。

今回紹介するのは私の考え方なので、一つの参考として読んで頂ければありがたいです。

それでは、さっそく見ていきましょう。

物乞いの方へどう対応する?私がお金を渡す場合:高齢の方

私の場合、高齢の方には渡す場合が多いです。

高齢の方にお金を渡す理由:社会保障が未整備だから

単純に、途上国では高齢者の方の生活は厳しいためです。

途上国では社会保障が充実していない場合が多く、子供家族が高齢の親をみることが当たり前とされています。

そのため、家族と別れてしまったり、身寄りがない高齢者の方の生活は厳しくなります。

また特に女性に多いですが、高齢夫婦で夫がなくなった場合、働くスキルのない妻は困窮することも想像していただけると思います。

また高齢になると体が不自由になり働きたくても働けない状況に追い込まれます。

このような理由から、私は相手がご高齢の場合で、もし手元にお金があるときは、渡すことがあります。

 

②物乞いの方へどう対応する?私がお金を渡さない場合:子供、中高年の方

逆に私は、子供、中高年にはお金を渡さないようにしています。

その理由を一つ一つ解説します。

子供にお金を渡さない理由:マフィアの資金源になるかもしれないから

子供に渡した場合、そのお金はその子供が消費するわけではありません。

その親が取り上げて浪費される場合や、マフィアの資金源となる場合があるかもしれません。

「レンタルチャイルド」という言葉があるくらい、人眼をひきやすい子供は、大人の物乞いやマフィアの間で売買され、資金集めの道具につかわれてしまいます。

マフィアは子供の物乞いを使って資金集めをしている場合もあるのです。

このように、本人が使わないのにお金を渡すのは私は抵抗があり、基本渡さないようにしています。

中高年にお金を渡さない理由:ちゃんと働いて!と思うから

また私は中高年の物乞いにも渡さないようにしています。

単純に、働こうと思えば働ける人に、お金を渡すのは社会進出を妨げる行為になりそうで、躊躇してしまいます。

もちろん、その国の経済状況(不景気のドンゾコなど)によりますが、基本的に働けそうな中高年の人にはお金を渡さないようにしています。

障害をもつ大人の物乞いの方は、ものすごく悩みます。

見る限り、働けなさそう、という方には、手元にお金がある場合は、渡してしまうかもしれません。

ただ、これも路上で動けるなら物乞い以外の仕事ができるのでは?と思うこともあり、基本お金を渡さない場合が多いです。

 

③物乞いの方へどう対応する?それ以外→渡す渡さないをその場で考える

私はこれまで、ある程度画一的に一律に、「お金を渡すのは高齢の方だけ。以上!」と決めてきました。

そのほうが考えなくなり楽だからです。

でも最近それでよいのか、と思うようにもなりました。

お金を渡す渡さないは自分で決めていい。その場で決めてもいい。

私のように事前に決めておくのは楽です。

ただ、それでいいのでしょうか。

途上国の状況にとって、物乞いの方の置かれている状況は異なるでしょう。

健康でのびのびと仕事をしてお金を稼ぐ。何かしらの理由でそれができないために路上で物乞いをされています。

その「何かしらの理由」に向き合う必要はないのでしょうか。

何も考えず、無機質にお金を渡す渡さないと決めて接することで、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」の精神も忘れてしまうかもしれない。。。

などと難しく考えず、その時の「直観」を信じて、気楽な気持ちで、自分の今できることをできる範囲でやってみる、という意識で十分かもしれません。

例えば、お金の代わりに自分が食べている食事を分ける、時間がある場合は物乞いの方と話してみる(お金を渡す気がないのに相手をつなぎとめるのはある種の営業妨害なのでケースバイケース)など。「お金を渡す」以外の対応もあるのです。

まずこの問題を自分なりどう捉えるのか、自分なりに分析して、軸を作ることが大切な気がしています。

 

まとめ:私は高齢の方だけに渡す。あなたは?いろんな考えがあっていい!

記事のポイントをまとめます。

  • 物乞い方が高齢の場合→お金を渡す。
  • 物乞いの方が、子供、中高年の場合→お金を渡さない。
  • 渡す渡さないを自分で考えることも大切。その場で直観で判断してもよい。

このようなイメージでしょうか。結論として、私は高齢の方だけに渡すけど、みんなそれぞれの考えがあっていい!ということですね。

なかなか答えの出る問題ではないかもしれませんが、皆さんの答えの一つの参考になれば幸いです。

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