

本記事の内容
- ①国際協力機関で働く職員の一日の仕事内容を紹介。打ち合わせ、会議の頻度が多い。
- ②「決裁」という非常に重要だけど、時間もかかる業務
- ③コロナ禍での「働き方改革」はどう進んだ?→柔軟な働き方が実現!
本記事の信頼性
記事を書いている私は、政府系国際協力機関の総合職職員として仕事をしています。前職の民間企業の経験から、民間企業との違いも含めてお話ししていきます。
読者さんへの前置きメッセージ
本記事では「政府系援助機関の仕事って興味があるけど、いったい何してるの??」という方に向けて書いています。
この記事を通して、国際協力のキャリアを形成するにあたっての具体的な仕事内容がイメージできるようになると思います。
私自身、転職するまで職員が実際何をしてるのかなかなかイメージがつかなったです。当時の自分を思い出しながら、記事を執筆します。
それでは、さっそく見ていきましょう。
①国際協力機関で働く職員の一日:打ち合わせ、会議が多い
結論として、会議、打ち合わせが結構多いです。
さて、職員の一日をみてみましょう。
国際協力機関職員のとある一日
以下、課題部(ある開発課題を扱う部署)の職員の一日です。コロナ前ですね。
- 9:00 出社
- 9:30~10:30 メール返信、ToDo整理
- 10:30~12:30 コンサルタントさんと電話打ち合わせ、書類作成
- 12:30~13:15 昼食休憩
- 13:30~14:00 事務所との会議に向け、課長と打ち合わせ
- 14:00~15:30 ToDo処理しつつ、会議資料整理
- 15:30~17:00 在外事務所(アフリカ)と対処方針会議
- 17:00~19:00 会議後処理対応、メール対応
- 19:00 退社
イメージはこんな感じでしょうか。ざっくりとした一日の流れも以下でご紹介します。
朝
①出社してメールを確認。
まずやるのは、メール確認。
担当する国によっては、朝どっとメールが来ていることも多いです。
メール開くとびっしり未読メールが。。。
私はアフリカを担当していた(時差7時間差くらい)ので、夜の間に来たメールを処理していきます。
簡単に返事できないのは、いつだれとやるのか、ToDoとして整理して処理していきます。
②空いた時間に書類作成やToDo処理
メールが大体終わったら、整理したToDoを処理していきます。
また契約関係の書類を作成していきます。
いろいろ考えたりすることが必要な書類作成作業は、効率のいい午前中にすることがおすすめですね。
午後早い時間
①打ち合わせ
昼食明けは、打ち合わせを入れていきます。上司とのクイックな打ち合わせも適宜行っていきます。
相談するタイミングも大切ですが、何か気になることや、案件で想定外のことが起きたりしたりしたら、私はすぐに相談することにしています。
②書類作成、報告書を読む
打ち合わせがない場合は、書類を作成したり、ToDo処理をしていきます。
またコンサルタントさんに提出いただいた報告書を読むことも大切なお仕事です。内容を確認し、不明な部分、もう少し聞きたい部分を質問していきます。
何か追加でしてほしいことを併せてコンサルタントさんへお願いしたりします。
午後遅い時間
①事務所との会議
アフリカとの打ち合わせは時差の関係上、日本時間15:30以降になります。
簡単な会議から、案件の方針をきめるような大きな会議まで様々です。そこまでにしっかり資料を準備して臨みます。
②担当国(私の場合アフリカ)からドンドンくるメールの処理
これは担当国によりますが、私の場合は、夕方からアフリカからドンドンメールや、電話での打ち合わせが入ってきます。
それを処理していくと、気が付くと、19:00、20:00、、、なんていうときもあります。
これは明日やる!と決めて、見切りをつけて退社することも大切です。
最近のコロナ禍もあり、在宅勤務も進んできてますので、あくまでこの一日の流れはご参考としてみて下さい^^
②「決裁」という非常に重要だけど、時間もかかる業務
公的機関で重要な手続きである「決裁」についても解説します。
決裁って?
決裁行為はどの企業でもあると思います。
部下:「これやりたいです!」
上司:「OK!」
このやり取りを書面で残したものですね。
「決裁」とは、部下の案をOKしたり、あるいはダメ出しをしたりすること。
会社組織においては、物品を購入するにも、新しいプロジェクトを始めるにも、どこかと提携するにも、必ず決裁が必要になります。
公的機関は、税金を扱っているため、その意思決定は透明である必要があります。
ではどうするのか?決裁のパターン分け(モノを買う場合、新しくプロジェクト始める場合、コンサルタントと契約する場合、、、)して、どの決裁パターンでは、だれと相談(=事前協議)して、だれに意見を聞いて同意(=合議:あいぎ)を求めるのか。そしてだれが最終的決定権があるのか、というのが事細かに決まっています。
これは決裁基準表に記載があります。
もちろん内容もそうですが、公的機関は、この決められた手続きをしっかり進めることで意思決定をしていきます。
ですので、まず、決裁を取る際に担当者が行うこと。。。それは最新の決裁基準表を確認することです。
古いモノをみてしまい、合議する相手を間違えていたら大変です。また最初に戻ってやり直しで非常に時間のロスが大きくなります。
手続きをきちんと進めること=最短で支援を途上国に届けること
手続き、手続き、、、なかなか書類が多くてぐったりすることもありますが、手続きをきちんと進めることも職員としての基礎能力の一つです。
きちんと手続きを進めること、つまり、最短で支援を途上国に届けられることを意味します。
逆に手続きをおろそかにすると、支援が届くのがドンドン遅くなってしまいます。それではプロ失格です。
しっかり先回りして手続きは迅速に進めましょう。
③コロナ禍での「働き方改革」はどう進んだ?→柔軟な働き方が実現!
さて、コロナ禍は、政府系援助機関の働き方にも大きな影響を与えました。
2020年4月の緊急事態宣言時は、非常に混乱しましたが、今はITツールや労働環境も整ってきました。
2021年1月時点で現状は以下のような取り組みがあります。
- ITツールの充実: Microsoft Teams(コミュニケーション・オンライン会議), OneDrive(資料共有), OneNote(会議メモ)等
- 労働環境の充実: 在宅勤務制度、出社・在宅勤務の併用、中抜けOK等
- 決裁手続きの簡素化: 物理的な押印に変わっての電子決裁
まだまだ手探りの部分ありますが、環境は整いつつあります。
コロナ禍ですが、しっかり仕事をして、必要な支援を届けるべく頑張ってます!
まとめ:職員の一日=手続きをしっかり行いプロジェクトをしっかり進める
記事のポイントをまとめます。
- ①国際協力機関で働く職員の一日の仕事内容は、、、打ち合わせ、会議の頻度が多いです。
- ②担当国との時差も意識して、効率的に仕事をしてます。
- ③「決裁」という非常に重要だけど、時間もかかる業務です。
- ④コロナ禍での「働き方改革」で、ツールや制度充実しています。
- ⑤しっかり手続きを進めるのは、政府系援助機関の職員の基本です。
このようなイメージでしょうか。職員の一日の仕事の流れ、そしてコロナ禍における変化など参考になれば幸いです^^
自分の健康も守りながら、コロナ禍でもしっかり援助を進めていきます^^