国際協力師への道

国際協力機関の総合職に転職するための具体的な方法(転職とは違う方法も紹介!)

2021年1月14日

悩む人
政府系援助機関の総合職に興味があるのですが、転職するにはどのような経験、スキルがあればよいでしょうか?未経験でも転職できますか?転職サイトに登録したほうが良いですか?とにかく効率よく転職の準備がしたいです
政府系援助機関の「総合職」への転職について整理してみましょう。
みかむらシンジ

本記事の内容

  • ①政府系国際協力機関の総合職に転職する具体的な方法。それはずばりこの組み合わせ!「英語」、「社会人基礎力」、プラス少しの「専門性」
  • ②国際協力未経験でも大丈夫!むしろその他業種での経験が専門性になるから有利!
  • ③転職サイトに登録するのは無意味。でも自分のキャリア整理のために利用するのは大いにあり◎
  • ④今は総合職レベルのスキルはないけど、やっぱり政府系援助機関で国際協力やりたい!→いい方法あります!

 

本記事の信頼性

記事を書いている私は、プロとして政府系国際協力機関に転職して4年、アマ時代も含めると17年国際協力に携わっています。民間企業で人事部で採用担当も長く経験していました^^

 

読者さんへの前置きメッセージ

本記事では「国際協力に転職したい!でも自分にその資格があるのだろうか」という方に向けて書いています。

この記事を通して、国際協力のキャリアを形成するにあたって具体的なステップまでをイメージできるようになると思います。

私自身、国際協力を本業をすることを志して、転職に成功し、非常に充実した国際協力ライフに取り組んでいます。

感謝の気持ちを込めつつ、記事を執筆します。あくまで私の個人的経験をもとに記載しておりますので、その点あらかじめご了承ください。

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

①政府系国際協力機関の総合職に転職する具体的方法:ズバリ「英語」、「社会人基礎力」、プラス少しの「専門性」の組み合わせ

結論としては、「英語」「社会人基礎力」、プラス「専門性」です。専門性は、このプラス部分がキーです。

ここでは、(独)国際協力機構(JICA)の社会人採用の応募要領をもとに分析していきます。

 

英語はTOEIC860点相当が目安

国際協力で総合職として転職する場合、業務上における英語でのコミュニケーションでは高いレベルが求められます。

目安としては、TOEIC860点以上です。

国際協力機構(JICA)では募集要項で英語について以下目安を示しています。私個人もこの目安は私の実感と近いです。

英語で実務遂行が可能な方(原則TOEIC860点相当以上またはTOEFLiBT100点・PBT600点以上を有している方)。

出典:国際協力機構(JICA)募集要項 | JICAについて 

 

英語については、こちらで詳しく記載しています。こちらでは760点と記載していますが、総合職となると、応募時点で860点が求められます。

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英語力を向上させるために、オンライン英会話もおすすめです。

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高い社会人基礎力

社会人基礎力(しゃかいじんきそりょく)とは、職場や地域社会などで仕事をしていく上で重要となる基礎的な能力を指します。経済産業省が提唱している概念です。

出典:社会人基礎力(METI/経済産業省)

 

『社会人基礎力』とは、文字通り社会人ならば基礎的に備えておく必要がある能力のことです。

地域社会や職場の中で多様な人々と共に仕事を行っていくうえで必要な基礎的な能力」と経済産業省より定義された「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」の3つの能力の総称です。

そして、その「3つの能力」は、さらに「12の能力要素」によって成り立っています。ある種、社会人としての(iOSなどの)基礎OSといったところです。

援助機関で働いていると、この3つの能力をフルで求めらる場面が非常に多いです。例えば、「チームで働く力」。政府機関は自分たちで直接現場で援助活動をすることはほとんどなく、外部機関と一緒に行っていきます。自分たちの組織のみならず、外部の組織と一緒に物事を進めていく。まさにチームワークです。

また「考え抜く力」も求められます。その国をどのように支援していくのか。これはこれまでのその国の経済成長、文化、その国の方針などあらゆる角度から情報を集め、理論を整理し、文字通り考え抜かなければ答えがでない作業です。

確かに、一つとがったモノがあればよい!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、政府機関が働く総合職には、この3つの能力がバランスよくかつ高いレベルで備わっている方が多いと思います。

現在のお仕事を通して、この3つの社会人基礎力を鍛えるように意識してお仕事していただければ思います。

 

プラスαの専門性

英語と、社会人基礎力があれば、あと必要なのは、専門性。社会人基礎力がOSであれば、専門性はスマホにおけるアプリというイメージでしょうか。OSがきちんとしてないと、アプリも機能しません。その点ではやはり社会人基礎力は本当に基礎、になるわけです。

専門性、ってなんでしょうか。国際協力に紐づかいと専門性にならないのでしょうか。

全くそんなことはありません。専門性は、同じ職種(営業、総務、人事、経理、研究)で長く働いただけでなく、同じ業界(金融、IT、エネルギー、建設等)に長くいた、というこも専門性にカウントされますよ!

国際協力に関係ない業界で働いていたとしても、長く働きその業界を理解しているのであればそれは専門性あり!と考えれます。

職種について専門があると一般的に認められるのは2年だといわれています。

自分の興味のある職種、業界で2年以上働きましょう!ただ、2年という期間は非常に短い。専門性を身に着ける前のOSとしての「社会人基礎力」を身に着ける時間になるかもしれません。そうなると専門性を身に着けたといういえるのはもう少し時間(プラス2年くらいでしょうか)が必要でしょう。

 

②国際協力未経験でも大丈夫!むしろその他業種での経験が専門となるので大丈夫!

国際協力関連の経験はなくても大丈夫!むしろ民間企業での経験は評価されます。

 

自分が培った経験、それがすべて評価される

以下は国際協力機構(JICA)の社会人採用に求める経験の一覧です。以下の中でいずれかの経験があればよいのです。

どうでしょうか。いずれの仕事でも、どんな業界でも、何かのカテゴリーにあてこめるはずです!

出典:募集要項 | JICAについて 

 

その経験を、国際協力にどう生かすか。それができれば経験が「専門」に変わる!

いろんな経験を持った人があつまるので援助機関。そこに集まる様々な経験を持った人が、国際協力のためにその経験を使う。

OSとしての社会人基礎力、アプリとしての専門性を使って、国際協力を進める。経験は、国際協力へ使う目的に使るように転換することによってりっぱな専門性となるのです。

ですので、未経験の皆さん、今興味のあるお仕事をした後でも、自信をもって国際協力の世界に飛び込んでください!^^

 

③転職サイトに登録するのは無意味。でも自分のキャリア整理のために利用するのは大いにあり◎

 

じゃあまず「転職エージェントに登録しよう!」と思った方はちょっと待って!

実は、純粋な政府系機関はエージェントへ、(年収×30%と言われている)エージェント費用を払うことができないので、エージェントは政府系援助機関の求人を紹介したりすることはできないのです。

そのため、転職エージェントとの面談で、「国際協力ができる会社に転職したいです!」といっても、紹介されるのは民間企業CSR部門や、民間企業の海外駐在案件なるでしょう。※私その経験ありですT^T

基本的に、援助機関の採用活動は自前で行うのが常です。

ただ、転職エージェントに登録すると、援助機関が社会人採用やってるという広告が掲載されるので、そういう情報をえるために登録するのはよいでしょう。

また「ご自分の強み、キャリアを整理する」ために、転職エージェントサービスを利用するのはおすすめです。(もう心の中で国際協力分野で働きたいと思ったとしても)「どういう分野に転職働けるか、エージェントとの面談を通して決める」という姿勢で面談を受けるのは大いにありだと思います。

宜しければどうぞ。




doda

ちなみに国際協力機構(JICA)の社会人採用は毎年4月ごろ募集が開始され、6月応募締め切り、7~8月に選考、9月内定、という流れが一般的です。

ご参考まで^^

 

④今は総合職レベルのスキルはないけど、やっぱり政府系援助機関で国際協力やりたい!→いい方法あります!

「高い能力が必要なのはわかった。でも早く働きたい!でも総合職にも挑戦したい!どうしたら?」という方に、いい方法をお教えします!

国際協力機構(JICA)で今年から始まった制度があります。

 

総合職・特定職登用

JICAで始まった新しい制度「総合職・特定職登用」です。もちろん試験はありますが、有期雇用の方を優先して総合職に登用する制度ですね。

応募資格

2020 年 9 月 11 日(応募〆切日)時点で、期限付職員、専門嘱託、国内協力員、事務スタッフ、または企画調査員としての 1 年 6 ヵ月以上(注 1)の勤務経験を有する方

* (注 1)過去の契約による勤務経験も通算可能。

出典:社会人採用・期限付職員採用 | JICAについて - JICA

 

自分が本当にその組織で長く働きたいか、その業界で長く働きたいか、それを確認するにも有期雇用で働くのも一つお勧めです。そこで働いた経験も認められます。

その組織で実際の仕事をしながら、英語など自分のスキルを併せて自己研鑽を積む。

競争率の高い社会人採用に応募する一発勝負ではなく、有期雇用の経験を活かし総合職へ登用へ応募する。総合職へ転職する方法として新しい方法です。

有期雇用の求人はこちらに掲載されます。ぜひぜひ求人を見ながら自分のキャリアを想像してみてください^^

PARTNER | 国際キャリア総合情報サイト (jica.go.jp)

 

まとめ:未経験でも大丈夫。民間での経験+国際協力=「専門」。専門を武器に総合職の門をたたこう!

記事のポイントをまとめます。

  • 政府系援助機関に転職するためには、ズバリ、「英語」、「社会人基礎力」、プラス少しの「専門性」で。
  • 民間企業の経験+国際協力の視点=専門性。すべての経験を国際協力に生かすことができ、評価されます!
  • 国際協力未経験でも大丈夫!むしろその他業種での経験が専門性になるから全く問題なし!むしろアピールポイント
  • 転職サイトに登録するのは無意味。でも自分のキャリア整理のために利用するのは大いにあり◎
  • まだ総合職レベルのスキルはないけど、やっぱり政府系援助機関で国際協力やりたい!→有期雇用から総合職登用を狙おう!

このようなイメージでしょうか。結論としては、国際協力で自分の経験をどう生かすか?を意識しながら、民間企業での経験をしっかり積みましょう!ということですね。

民間企業のでの経験は、援助機関で働く場合も使う場面は多いです。国際協力機関と民間企業のコラボも注目されています。民間企業の経験は今まさに求めれています。数年の民間企業での経験がある方で、国際協力でその経験を活かしてみたい方、ぜひこちらの国際協力の成果に飛び込んでみてください。お待ちしています^^

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